お菓子屋ですのでいつも美味しいものを夢を載せて送り届けたい思いがあります。現実は、昨年10月には腐れ芋と格闘し、連日の様に、臭いが染みつき洗濯をしていました。予定原料が不足したため、チップ原料以外のものも使用せざるを得ませんでした。

 悪い原料を使えば、消費者の皆様に叱られます。昨年6月の神奈川産の原料でクレームが発生しました。10月の原料でも、美味しくないと叱られました。

 小学生が工場見学に来ると「胸には名札「3年1組岩井菊之(例)」が付いている様にじゃがいもにも名札が付いているのだよ。みんなの顔が違う様にじゃがいももみんな違うのだよ。だから名前が付いているんだ。」と言うと、お互いの顔を見比べています。

 チップメーカーが飲み屋でチップがでてくると何処のメーカーかという話になります。先日もありました。答えは、C社でした。メーカー毎にも味が異なっています。また、時期によっても、製品を買うと「S品種の製造が始まったな」ということも分かります。

 そんな中で、色々な品種が世に出て参ります。この品種はチップにして大丈夫なのだろうか?この品種は、サラダ用と言われているけれど、チップの代替えができないだろうか? と考えています。

 昭和40年代、父は、色々な品種をチップに試みました。サンプルは良かったけれど、現物が来てみたら、使えないと言うことが多々ありました。今では予備試験や品種特性である程度想像が付きます。

 いも類研究会の皆様の力を借りて、色々なご意見を伺えたらと思って、提案させて頂きました。今回のデータは、育種家の皆様をはじめ、馬鈴薯関連の方にも有意義な情報となることを願っています。

 専門の先生方による「ばれいしょ加工適性研究会」で研究されておりますが、いも類研究会の皆様の力で、新たな展開を期待しています。



 <実際の現場と試食品の製造の違い>
  1. 受入データ、過去のデータなどを参考にフライ条件、ブランチング温度、スライスの厚さを変えています。

  2. 塩味について比重の低いトヨシロ(でんぷん価14)、インカレッドを先に揚げていたため、塩分はこれが基準となっています。後から揚げた、高比重の品種のものほど塩分が薄くなる傾向にありました。

     大手のラインでは、自動計測しながら塩を掛けているので弊社の様なことはないのですが、弊社では、馬鈴薯の比重を測定し、1日2回計測し、手直しをしています。比重が高いと短時間当たり及び総出来高は、多くなります。

  3. ポテトチップスでは、色々な味付けが行われています。世界と比較しても多いのではないでしょうか?これは日本の文化になっているかもしれません。各メーカーの日夜の努力のたまものと思います。

     ですので、かなりの幅が許されます。しかしながら、素材がよいのが一番楽なのです。「さやか」を揚げてみて、卵形のピーリング適性の良いのには、驚かされました。

  4. 黄色肉について十勝こがねを揚げるとき「黄色」が気になりましたが、比較するとほとんど差は感じられませんでした。色彩選別機で除去される可能性が高いため(?)、チップメーカーは、黄色を嫌っていますが、結構いけそうに思えました。

  5. 平成17年産のインカレッド、キタムラサキは品質が良くなく、ちょっとかわいそうでした。この品種のチップには、マニアックなすごいファンがいます。

  6. 長崎産の西海31号は収穫直後の良い状態ではなかったので、ちょっとかわいそうです。このじゃがいもは、比重が適度にあり、丸くて、良さそうです。チップメーカーとしては、もし白色だったら、チップに良いなーと思いました。

    注:

    じゃがいもは、長崎などの西南暖地では二期作(春と秋(冬)に収穫)ができますが、北海道では年に1作(秋に収穫)のみです。


  7. 海外の食べ歩きで海外のものは、油の味が結構するものや、味付けが濃いものなど色々ですが、欧米では一般的にチップ用の芋は、芋臭くない薄味の様に思います。(直接食べたことはないけれど)

    最後に

    今年もチャレンジしてみたいです。その節はよろしくお願いいたします。