その25


名古屋のいもの会(平成10年9月14日)

   名古屋市北区楠支所管内の味鋺(あじま)地区は戦前から味のいい早堀りいも、「あじまいも」の産地として知られていた。同地には庄内川という天井川がある。

 昔はよく氾濫し、その跡に大量の小石混じりの砂を残した。そういう所は水はけが良すぎて乾きすぎる。 そのため日照りに弱い夏作物は作れない。ところがサツマイモはむしろそういう土地を好む。それで自然にいも畑地帯になったのだという。  

 その味鋺地区にも最近は住宅が増え、農地もめっきり少なくなってしまった。しかも耕作者の高齢化などで空き地も多くなっている。こうなるといけない。空き地には雑草が生い茂る。そこや耕地にゴミを勝手に捨てる人がどんどん増える。町の美観上からも衛生上からも放置しておけなくなってきた。

 そこで区もいろいろ勉強し、今春から同地に「北(ホク)・北(ホク)いもの会」を発足させたのだという。 会員は地域住民有志100余人。区の肝いりで農家の畑を借り、いも作り名人の指導で特産の味鋺いもを作る。

 地域の人は共同作業を通して知り合いになれるし、うまい「いも」ももらえる。こうなって初めてその土地への愛着も深まってくる。土地を大事にするムードが町に高まれば、今までゴミを所構わず捨てていた人達も自粛するようになる。いいことづくめで、早くも手応え十分という。

 今日、わたしは同会に招かれ北区役所講堂で「いも文化と町おこし」という題で話しをさせてもらった。 会場には300人もの人が集まっていた。そこで長井隆弘区長さんにお目にかかることができた。同氏は「わたしは『いも区長』で通っています。これからも一層頑張ります」と張り切っておられた。

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青木昆陽生誕300年祭(平成10年11月6日)

 「甘藷先生」として知られる青木昆陽の墓は、目黒不動で有名な東京目黒の滝泉寺にある。その縁で同寺では毎年10月28日に盛大な「甘藷祭」を行っている。

 当日は広大な境内の一角に「甘藷コーナー」が特設される。  ここに、全国のサツマイモ関係者や生いもやいも菓子、いも料理、いも焼酎などの店を出すのでそれはにぎやかだ。最近はサツマイモも健康食の1つとして人気が出て来たので店数も客も増える一方だ。

 今年は甘藷先生生誕300年に当るので、 それとは別に目黒区民センターで特別記念行事「さつまいもフェスタinめぐろ」が開催された。今日がその日で主催者は同実行委員会と財団法人いも類振興会。事務局は目黒区地域振興部経済課が担当した。そこでサツマイモ関係商品の展示即売会とシンポジウムが行われ、わたしも後者の講師の一人として招かれた。

 シンポジウムはどうしても固いものになってしまうのに、 500人入りのホールが満席になってしまったのには驚いた。それが終わってからの反省会の席で目黒区のベテラン区議、二宮啓吉さんがこんな嬉しい挨拶をされた。

 「いままで目黒といえばサンマでした。でもこれからはそれだけではない。ここを首東京のサツマイモ文化の拠点にしていきましょう」と。  サツマイモによる地域おこしは農村部でだけでなく、巨大都市の中でも始まっている。

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