VI じゃがいもの流通システムと価格
じゃがいもは、青果用から、加工食品用、そしてでん粉原料用と用途が幅広
いことから、流通システムもそれぞれに独特な形態となっています。特に青果用については、ほとんどが市場を経由して消費者に提供されますが、生産者価格と消費者価格の差は、大根やニンジンなどの他の重量野菜と比べても大きく、この差を縮小することは、これから需要を維持・拡大していくうえで、早急に取り組むべき課題といえるでし
ょう。
1.青果用
青果用の流通は大半が市場流通であり、全国各地の卸売市場経由で取引され、量販店や八百屋の店頭に並び、家庭用として消費されるものと、卸売市場から仲卸・小売業者を経て業務用(外食産業用)として流通するものとがあります。
また、最近では産直などの取り組みも増えてきています。青果用のじゃがいもは、貯蔵性があるにもかかわらず、野菜としての性格が強く、流通コストがかさむことから、生産者価格に対して、卸売価格は概ね4割増、小売価格では3〜4倍の水準となっています。
また、いずれの価格についても、例年、端境期の5月がピークで、北海道産の出荷が最盛期を迎える10月までの間に徐々に低下するというパターンとなっています。
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青果用じゃがいもの段階別価格 (単位:円/s)
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注:1) |
生産者価格は農水省統計部「農業物価統計調査」、卸売価格は農水産省統計部「青果物流通統計月報」 、小売価格は総務省「小売物価統計調査報告」による。 |
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2) |
生産者価格は全国平均であるため、西南暖地産と北海道産では大きく異 なっている。 |
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生産者価格(全国) |
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卸売価格 (東京) |
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小売価格 (東京) |
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注: |
指数は年平均を100とした場合の月別の数値を求め、過去10年間の平均値を算出した。 |
特に加工食品用の大半を占めるポテトチップス用については、じゃがいもの比重(でん粉価に比例する)と傷や病害・生理障害の有無の組み合わせによって価格が設定されるシステムになっています。そして、排水良好な圃場で正規の種いもを使用し、浴光育芽や適正な栽植密度で栽培された高品質なものが優先して納入されています。
(2)コロッケ・サラダ用
消費地で作られる量が多いことから、以前は市場から回るものが主体でしたが、近年は工場が産地から直接仕入れるものが多くなっているようです。
3.でん粉原料用
でん粉原料用は北海道のみで生産されていますが、厳しいでん粉需給を背景に、昭和59年から計画生産を実施しています。そして多くの原料は農協系統のでん粉工場において生産者からの製造委託により、でん粉に加工されています。
なお、でん粉原料用については農産物価格安定法に基づき、政府が原料基準価格を定め(平成17年産は13,640円/t)、この価格を下回らない価格で買入れたじゃがいもを原料として生産されたでん粉を、必要な時期に政府が買入れる仕
組みによって、生産者価格を支持しています。
4.海外との比較
東京と海外の主要5都市における小売価格調査の結果をみると、品種や製品のタイプが異なるために直接的な比較は難しいのですが、諸外国の主要都市の価格は東京に対し、青果用のじゃがいもで概ね5割〜同程度、ポテトチップスで5割〜1.3倍程度の水準となっています。
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海外の主要都市における価格水準
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81 |
82 |
51 |
72 |
38 |
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66 |
85 |
68 |
134 |
63 |
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58 |
55 |
61 |
58 |
66 |
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76 |
55 |
75 |
79 |
89 |
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70 |
28 |
36 |
39 |
35 |
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109 |
78 |
136 |
78 |
48 |
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73 |
48 |
56 |
67 |
71 |
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資料: |
農水省消費・安全局「東京及び海外主要5都市における食料品の小売価格調査結果(平成16年11月)」(平成17年7月公表) |