日本いも類研究会ニュースレター
No.1
日本いも類研究会について
日本いも類研究会は、甘しょ及び馬鈴しょ等の「いも類」に情熱を抱いている消費者、外食・食品加工産業、市場、生産者、学識経験者などの方々が幅広く自由な立場で情報交流できるサロンをイメージしています。暫定的に、会長を馬鈴しょと甘しょの両方の育種を担当された北海道農業試験場ばれいしょ育種研究室長の梅村芳樹氏にお願いし、昨年8月に第1回の研究会として「マイクロチューバーに関する現地検討会」を北海道の栗山町で開催しました。
これまで会員の方々からの御意見をもとに、持続的で柔軟な運営方法を検討して来ましたが、今後は年に1回、総会を兼ねた「おいもサミット」のようなイベントを開催するとともに、インターネット上に研究会のホームページを作成し、『MiNi白書』シリーズや関連情報の掲載、メーリングリストによる意見交換、FAXニュースレターによる情報発信などを行っていきたいと考えています。
今回、下記に設立総会を開催し、組織の体制や事業計画などを検討したいと考えておりますので、会員の方々の参加をお待ちしております。
いも類の需要、消費が動き始めた。
研究室への来訪者、電話、FAX、文書での問い合わせ、依頼、相談が急増している。加工、外食、総菜業や量販店、生協のバイヤー、消費者団体が多く、生産関係者も以前よりは増加している。一般の主婦、マスコミ関係も少なくない。もっとも増加したのは有機農産物の関係団体、会社、生産者である。
この動きはいも類(食品)の消費形態が家庭から業務向けに変わっていること(ジャガイモでは既に3/4が業務向け)、消費ニーズが安全、良質(ヘルシーでおいしい)にほぼしぼり込まれたことによろう。つまり商品としての価値が高まり、ビジネスチャンスが増したための動きととらえている。
70万トン近いジャガイモの輸入は低価格から、安全、良質を売物にしたオセアニア、北米、欧州産に変わろうとしている。北海道よりも好条件の広大な土地で、有機、減農薬で生産されたいもが、使いやすい形に一次加工され、適正価格で安定供給されたら、枯凋剤を散布している北海道産のジャガイモは販路を失う。サツマイモ、里いも、山いもも同様であろう。ユーザー、消費者のニーズに合わせ、それを先取りして供給するのが生産者の生き残り策だから、できないものは去らざるを得ない。
いも類の一人当たりの消費量は増加が予測され、料理教室やデモンストレーションではきわめて好評、うまくやれば予測を上回る消費増が期待できる。しかしその増加分を今までのように輸入品に奪われては、国内の生産者にメリットはない。奪われないためには、生産関係者、研究者がユーザー、消費者のニーズを正確にとらえ、それに応える商品を提供することが急務である。できれば先取り、リードしたい。
日本いも類研究会がこのような視点ですすむことに期待している。
■サツマイモ資料館
サツマイモ資料館 館長 井上 浩 
埼玉県の川越市に「サツマイモ資料館」があります。サツマイモ料理専門の料亭「いも膳」の神山正久社長が私費を投じ、ボランティアで経営している入場無料の民営館です。

オープンは1989年(平成元年)。木造2階建て120uのささやかなものですが、サツマイモの資料館としては日本唯一のものです。来館者は日に100人前後。全国から様々な人が見に来てくれます。
常設展示はテーマ別で「サツマイモの来た道」、「世界の国々のサツマイモ事情」、「なぜ健康食品なのか」、「加工品」、「大害虫アリモドキゾウムシとイモゾウムシ」、「焼き芋」そして数多くの「品種」などです。
一番人気があるのは品種。「紅赤」や「太白」など昔懐かしい古いものから最新のものまで20種類ほどを生いもで揃えています。今の若い人達は2〜3種類しか知らないようで、これだけでもびっくりします。
特別展は年に1〜2回。今までで一番受けたのは戦後50年ということで1995年に行った「戦争とサツマイモ」でした。
来館者はサツマイモに愛着や興味、関心を持っている人達です。私はその声に耳を傾け、「いも情報」をできるだけたくさん集めるように心掛けています。それが増えれば増えるほど、いい展示が出来ますし、いい情報も発信出来るようになるからです。
「全国さつまいもフェア」レポート
2月14日から18日にかけて、「全国さつまいも食品コンクール」と「ふるさとおいもフェスティバル」が東京で開催されました。主催は鹿児島県で、さつまいも産業振興協同組合などが後援しています。
コンクールでは、和菓子部門で「トリコロール屋久島」が農林水産大臣賞に選ばれています。これは幻のいもと言われる「種子島紫」や「屋久島幸吉いも」など3種類、3色のいもを使ったとてもエレガントな「いもようかん」です。
フェスティバルの方は、新宿伊勢丹の地下食品売場催事場に茨城、埼玉、高地、長崎、熊本など8県から、数十点の食品が展示即売され、大勢のお客さんであふれていました。干しいも、芋うどん、芋ようかん、いも納糖、いきなりだんご、ファイバー入り薩摩揚げ、さつまいも入りソーセージ、ソフトクリーム、冷凍焼き芋、いも焼酎と、こんなにたくさんの種類があるのかと驚くばかりの品数でした。なかでもひときわ目立ったのは、なんといっても「さつまいもジュース」です。いも類トピックスでご紹介した「九州120号」を使ったオレンジ色のタイプですが、粉っぽさもなく大変飲みやすい味に仕上がっていました。商業ベースでも開発が急ピッチで進んでいますので、まもなく皆さんの目の前に登場するでしょう。
産地だより 「南国のばれいしょ収穫中…」
私の家で青果用メークインを作り始めてかれこれ15年ほどになるでしょうか。南国沖永良部島では近年盛んに作るようになりましたが、じゃがいもはなんといってもバクチですから今年の売値がいくらになるか心配です。

さてJAでは、沖永良部島産ジャガイモを鹿児島ブランド「春のささやき」として出荷、2年目に入ります。市場での人気も上々のようで楽しみです。1月下旬から5月までと長期間出荷できるのも南国の強みで、消費者に旬の味を長い間にわたってお届けできます。これも冷蔵メークを導入して可能になったことです。最近は農家でも自家製の冷蔵種を利用してコストダウンに取り組む人もいます。
今年は,堀取り時期に雨が多く、なかなか畑に入ることができませんが、天気の合間を見て堀取っています。出来は上々で特に冷蔵メークはどの農家でも大玉が多いと顔がほころんでいます。要因としては、季節風が吹き荒れる日が少なく、暖冬だったせいでしょうか。(うちはコタツも出していません。)
しかし、3年前からは値動きが4月の中旬以降によくなっているので、昨年は遅く植え付けした人が多く、この分だと一時期に集中して出荷され、値が下がる可能性もあります。
堀取りは、トラクターに堀取り機をつけて作業をするので、どうしても手作業になり1人400キロ堀りあげたらいいほうです。

これも島の特性で、市場で人気のある赤土での栽培であるからでしょうか。出荷はコンテナという約20キロ入る箱に入れて出しますが、これがかなり重労働なのです。
西村さんはインターネットWWWで沖永良部島でのばれいしょ栽培のようすを紹介されています。
http://plaza8.mbn.or.jp/~katu/zyagaimo.htm
いも類トピックス(1) 「平成9年の新品種候補」
国の試験研究機関や都道府県の指定試験地で育成された農作物の優良品種には命名登録という制度により名前がつけられます。現在、つぎにご紹介する品種が新品種候補として検討されています。今後、試験研究推進会議や命名登録審査会を順調にパスすれば8月には正式な名前が決まり公表されます。
甘しょ 九州120号
極多収で形状が良くβーカロテンを多量に含み極多収で乾物率が低く、搾汁液の褐変が少ないなど、ジュース用品種として最適の品種。全国の甘しょ作付地域に適する。
カロテン含量はベニハヤト並みで極めて高く、生いもの搾汁液は変色がなく、ニンジン臭もせず、ジュースの味は良好。搾汁液はベニハヤトより多い。
収量性は高系14号やベニハヤトよりかなり高く極多収で、貯蔵性はベニハヤト、高系14号よりも良く「やや易」。
馬鈴しょ 根育29号
マチルダ並みに疫病圃場抵抗性が強く、国内で育成された品種としては初めて疫病の無防除栽培が可能で、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を併せもつ。
淡赤皮、淡黄肉で減農薬・無農薬を志向する生産者及び消費者向きの専用品種として北海道全域に適する。
農林1号なみの中晩生で上いも収量(20g以上)は男爵薯より多収で農林1号並みであるが小いもが多い。
馬鈴しょ 西海26号
暖地二期作地帯向けの食用品種では初めてジャガイモシストセンチュウ抵抗性をもち、そうか病や葉巻病Yモザイク病などのウイルス病にデジマより強い。
早生のため最終的ないもの大きさと収量はデジマよりも劣るが、いもの早期肥大性に優れ、二次生長や裂開が少なく、球形で芽が浅く外観に優れる。
淡黄肉で食味はデジマ並みに優れ、煮崩れや調理後の黒変も少なく、でん粉価は春作ではデジマよりも高く、秋作ではほぼデジマ並み。
いも類トピックス(2) 「平成8年産の作況」 ー農林水産省統計データよりー
(1)平成8年産春植えばれいしょの作付面積、収穫量及び出荷量(8年11月20日公表)
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作付面積(ha)
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収穫量(t)
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出荷量(t)
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単収(t/10a)
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平均収量対比
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64,600(99)
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2,334,000(90)
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2,077,000(92)
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3,610(91)
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94
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(注) ()は対前年比
(2)平成8年産甘しょの収穫量(8年12月16日公表)
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地 域
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収穫面積
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収穫量
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単 収
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作況
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地 域
|
収穫面積
|
収穫量
|
単収
|
作況
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全 国
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47,500( 96)
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1,109,000( 94)
|
2,330( 97)
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113
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茨 城
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7,650( 98)
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201,200(105)
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2,630(107)
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103
|
長 崎
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1,140( 97)
|
23,800( 92)
|
2,090( 95)
|
103
|
|
千 葉
|
6,410( 99)
|
155,800(100)
|
2,430(101)
|
105
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熊 本
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1,400(101)
|
33,600( 96)
|
2,400( 96)
|
104
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静 岡
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1,480( 94)
|
32,700(103)
|
2,210(109)
|
106
|
宮 崎
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2,730( 94)
|
64,700( 84)
|
2,370( 89)
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98
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徳 島
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1,310( 98)
|
27,600( 98)
|
2,110( 99)
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101
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鹿 児 島
|
14,600( 94)
|
381,100( 86)
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2,610( 91)
|
96
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(注) ()は対前年比