JRT 日本いも類研究会(Japanese society of root and tuber crops)     
ニュースレターNo.6 1997/7/2


お知らせ

日本いも類研究会では、インターネットにホームページ開設の準備を進めております。7月中の公開を目標に制作中ですが、会員のみなさんからのご意見や情報をホームページに反映していく方針です。プロトタイプ版を次のURLに掲載しております。日本いも類研究会(仮称JRTWeb) URL http://www.jrt.gr.jp/
JRTニュースレターの編集委員会が発足します。次号からは新編集体制で発行されます。
送信宛先の誤りなどがありましたら、つくば事務所までご連絡ください。
 



■いも類トピックス


 ○ 平成8年産馬鈴しょの作付面積収穫量及び出荷量(H9.6.17公表)

(農林水産省「野菜生産出荷統計」より抜粋(1万t以上の出荷))

作付面積は10万3千haで、前年産に比べて1400ha(1%)減少した。
これは、生産者の労働力不足、他野菜への転換、貯蔵種子の腐敗等によるものである。収穫量は308万6千tで、前年産に比べて27万9千t(8%)減少した。これは、北海道で5月上旬以降の多雨・日照不足、その後の低温の影響により着いも数が少なく、肥大も抑制されたこと等によるものである。
 出荷量は、244万6千tで前年産に比べて17万2千t(7%)減少した。

 
作付面積(ha)
収穫量(t)
出荷量(t)
単収(kg/10a)
北海道
64,600( 99)
2,333,000( 90)
2,078,000( 92)
3,610( 91)
青 森
1,810( 98)
36,700( 94)
25,600( 94)
2,030( 96)
茨 城
2,100(104)
55,700(108)
38,200(112)
2,650(104)
千 葉
1,900(102)
41,100(106)
32,600(107)
2,160(104)
静 岡
1,150( 97)
20,100( 94)
13,400( 94)
1,750( 96)
長 崎
5,140( 97)
123,400( 99)
102,000(100)
2,400(103)
宮 崎
675(100)
13,700(102)
10,100( 99)
2,030(103)
鹿児島
3,440(109)
60,500(107)
52,900(108)
1,760( 98)
全 国
103,000( 99)
3,086,000( 92)
2,446,000( 93)
3,000( 93)

注:1)( )は対前年比
2)年産区分は平成8年4月〜平成9年3月
 

○ 馬鈴しょの貿易(1996)

【輸入】
1.品目別

冷凍馬鈴しょ
フレーク、マッシュ
その他
総輸入量
生いも換算
輸入量
輸入金額
輸入量
輸入金額
輸入量
輸入金額
 
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
千d
159
155
176
200
228
億円
205
177
188
203
265
千d
23
26
29
28
25
百万円
2,862
3,211
3,085
2,939
3,676
千d
1
2
12
19
15
百万円
399
1,084
6,821
6,953
5,578
千d
491
506
602
682
706

2.輸入国別(生いも換算)

 
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
 
輸入量
 
アメリカ
カナダ
その他
千d
430
49
12
491
千d
434
49
23
506
千d
536
51
15
682
千d
612
51
19
682
千d
629
55
22
706
 
比率
 
アメリカ
カナダ
その他

87
10
2
100

86
10
5
100

89
8
3
100

90
8
3
100

89
8
3
100

【輸出】(主要なもの)

 
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
 
種馬鈴しょ
冷凍馬鈴しょ(調理済み)
調整品(非冷凍)
d
100
8
1,303
d
50
19
1,327
d
250
37
998
d
98
41
389
d
191
47
1,073

《参考》米国の1996年度ばれいしょ需給動向
 米国農務省の12月1日付予測によると、1996年の秋作ばれいしょ収穫量は95年度比12%増の2,050万トンと、1994年の記録をさらに6%上回る史上最大の収穫量となった模様である。12月1日現在のばれいしょ総使用量は95年同期実績を10%上回る速度で推移しており、ことに加工向け需要量の伸びが著しい。
また、米国北西部では、ワシントン州、アイダホ州、オレゴン州の3州とも史上最高を記録し、生食用ジャガイモの価格は1995年の約3分の1に暴落した。



リレーエッセイ・・すてきなイモ野郎たち(1)

 
      「地球食材の旅」の中のジャガイモとサツマイモ
 
 リサーチ関係者によるとわが国の20代から30代にかけての主婦の半数近くまでもが食材にこだわっているという。それをうけてマスコミもそれ関係の記事に力を入れている。例えば朝日新聞の日曜版では咋平成8年4月以来、まるまる2ページも使って「地球食材の旅」を連載している。
 毎日曜、取り上げる食材は一つ。記者とカメラマンを世界中に出し、そのルーツや食べ方、それにまつわる話などを探らせている。連載は今も続いているが、いも類はすでに取り上げられている。
ジャガイモ 平成8年11月17日
 よくジャガイモはヨーロッパを救い、サツマイモはアジアを救ったと言われる。ところがアイルランドでは150年前に「ジャガイモ飢饉」が起こり、多くの犠牲者を出した。その訳が解説してあった。
 アイルランドにジャガイモが入ったのは16世紀の末だった。その頃の農民は地主の為に小麦を作らされていた。収穫された小麦のほとんどは地主に納めなければならなかったので、彼等は貧困にあえいでいた。そこにジャガイモが伝わった。それは石ころだらけの荒れ地ででもよくできたので農民は喜んだ。
 ジャガイモが普及すると島の人口が増え、19世紀初めの300万人が40年で800万人にふくらんだ。そして「運命の年1845年」がやってきた。
 土の中のジャガイモを腐らせる疫病が蔓延し、手の打ちようが無かった。ジャガイモの凶作は4年も続いた。3度の食事をジャガイモに頼っていた貧しい農民たちは「ジャガイモ飢饉」に巻き込まれ、100万人が餓死し、100万人が国を離れアメリカなどに渡った。
 他方、小麦はどうだったのだろう。ジャガイモ飢饉の続くなかで、これは普通に取れていた。ただ地主は農民にやらないでイギリス本土に送っていた。
 こうした社会の仕組みのゆがみとジャガイモの病気のために、救荒作物であるはずのジャガイモが逆に悲劇を生んでしまったわけだ。今、アイルランドでは「ジャガイモ飢饉」をしのぶ色々な催しが各地で開かれているという。
 
サツマイモ 平成9年5月11日
 メキシコではサツマイモはマイナーな食材だ。記者はメキシコ市の中央市場でその売り場を探したが、見つからない。探しあぐねて市場の副支配人に聞いたら、「サツマイモなんてあったかなあ」と言われてしまう始末だった。
 それでもめげずに探し、ついに市場の一番西の端にあったサツマイモの卸商の倉庫を見つけることができた。卸商人によると週に700トン卸しているという。もっとも11月の「死者の日」だけは別だ。この日はどの家でも死者の霊を弔う為に家の中に祭壇を作り、上に白砂糖で作ったドクロを置く。そして祭壇の下にサツマイモで作ったお菓子や果物などをそなえる。そのため、ふだんはめだたないサツマイモがこの日だけはどっと出回るという。
 サツマイモのある国には、たいてい焼き芋屋がある。メキシコ市にもあって屋台式のそれが街角に出ている。おもしろいのは、その食べ方だ。むこうでは焼きいもをそのまま食べない。焼きいも屋は、客の求めに応じて蜂蜜やコンデンスミルクなどを掛けてくれる。ジャムやチョコレートなども塗ってもくれるという。いもそのもののうまみを大事にする日本では、ちよっと考えられないことだ。

                (サツマイモ資料館 井上 浩)
 


■産地だより−北海道十勝(更別村)の井脇農場−


 北海道十勝の更別村で、大規模畑作を経営されている井脇健治さんにEメールで近況報告をいただきました。

<栽培管理技術に関する井脇さんのコメント>
6月末時点で北海コガネを除く品種は培土終了。コナフブキの澱粉以外はカマボコ型培土器での培土を行う。その理由は、緑化いもが減ること。加工向けでは傷、打撲が一番嫌われるため、土の量がないと傷が付きやすくなる。
澱粉用はある程度収量を上げるには、カマボコ以外が良いように思われるが、更別でもカマボコ型でも80俵以上取る人がいるので、どちらとも言えない。 ただ花時期にブロードカスタで追肥する場合はカマボコ以外が適しているようだ。培土時期はそれぞれ農家によってまちまちであるが、だいたい25cmの茎長で行われるようだ。ただ、メークインはストロンの伸びが速いので25cmだと培土は遅い。
 十勝更別では最初に澱粉用から蒔き始め、加工、食用の順にしていく農家が多い。その間にビート移植が入る。澱粉用で4月下旬。加工用も早い品種であれば4月下旬が多い。北海コガネは早いと発芽もあまり良くないようだ。
<疫病について>
 コナフブキが出た当時は疫病に強い品種であったのだが、最近は菌のレースが当時と違ってきているようで、澱粉用の紅丸と変わらないようだ。へたをすれば、コナフブキの方が疫病にかかると、茎や葉の容積が少ないせいか、弱く見える。ただ蔓延する前に防除すれば、まだ抵抗性はありそうだ。紅丸は多少やられても、葉や茎が沢山あるので目に付かない。澱粉にした場合はコナフブキが有利である。
flabs
(疫病予察システム)
 この手法はアメダスデーターから疫病初発を予測し、1回でも防除回数を減らし、効率的な防除を目安としている。萌芽日からアメダスデーターで指数を算出し、ある数値に達した時に、初発を予想するもので、絶対に当たるものではない。以前は北海道中央農業試験場から速報が送られていたが、手法をパソコンで処理すれば、もっと早く情報が手に入る。現在 滝川の花き野菜センターの水島さんから色々教えて頂いた。ただ、この予測は北海道各地域の男爵いもから疫病発生のデータを統計手法により予測しているので、北海道地域に限定されると思う。
更別では95年、96年とも予測に近い時期に初発を確認している。私のホームページからもダウンロードできるが、必要なデータは自分で収集する必要があり、萌芽10日前から必要。 日付、最高・最低気温、降水量があれば計算できる。6月27日現在で、5月27日から6月5日までの萌芽は、累積10で去年より多少後ろになるのではないかと予想している。
農薬代もバカにはならず、18haも作付けしていると1回10万はいってしまう。 少しでも回数を減らせば、農薬の節約のほか、作業時間などの節約にもなる。ばれいしょは、収益性も高いが、投資、管理(防除等)も高い作物。いかに収益を上げ、品質の良いいもを作るには、昔からの慣行のままだと今では無理だろうし、工夫、観察を怠らないように努力して行きたい。
以上、近況報告とします。作況は1週間程度の遅れ(6・15)ですが、好天続きで何とか回復しそうです。

(十勝更別村 井脇健治)



■国際関係


○ Sub:米国、北西部ジャガイモ生産状況と疫病対策、961216

(農水省ホームページ http://www.maff.go.jp/soshiki/keizai/kikaku/index.HTMより)

<要約>
 米国北西部のジャガイモの今年の収穫量は、ワシントン州、アイダホ州、オレゴン州の三州とも史上最高を記録し、生食用ジャガイモの価格は1995年の約三分の一に暴落した。コロンビア・ベースン地方の95年の疫病防除費は30百万ドルに昇り、94年の4倍近くという調査結果も出ている。又、疫病の発生予察のため、オレゴン州南東部の試験場ではコンピューターを利用したリスク・ナンバーを出している。
<本文>
1. 米国北西部のジャガイモ生産
 ワシントン州のジャガイモの生産量はアイダホ州についで全米第二位だが、単収では世界一位を誇り、過去三年間の単収の平均は1エーカー当たり575百ポンドである(1996年全米平均は359百ポンド)。この主な理由は、州のジャガイモの産地、コロンビア・ベースン地方の気候的条件による。この地方の無霜期間は150日から190
日で、4月、5月の気温は発芽・出芽に適し、結しょ期の高い気温も理想的である。年間降水量は7インチ以下で、スプリンクラーによって灌水、施肥が適量に調節できるのも利点である。
 この気候のため、ワシントン州のジャガイモはサイズが大きく澱粉価が高いので、加工用、特にフレンチ・ポテトに向いている。ジャガイモの加工は1963年頃始まったが、その当時は生食用が49%、業務用(澱粉)が29%、加工用が22%であった。今日ワシントン州産ジャガイモの87%は加工用、13%は生食用である。加工用ジャガイモのおよそ80%はフレンチ・ポテトに加工される。現在41の生食向け集出荷場、15の加工場が州内に位置している。
 ワシントン州で生産されるジャガイモの品種の82%はラセット系で、1995年に作付けされた品種の内訳は、ラセット・バーバンク(61.1%)、シェポディー(13.7%)、ラセット・ノーコータ(11.8%)、レンジャー・ラセット(6.4%)、その他のラセット系(2.6%)となっている。
 ワシントン州の生食用ジャガイモは、カナダ、香港、シンガポール、グアム、マレーシア等に輸出され、加工品は、日本、韓国、台湾、香港、シンガポール等、主に環太平洋諸国30ヶ国に輸出されている。冷凍フレンチ・ポテトの輸出は、95年37万トン(米トン)に昇り、これは78年の16千トンの23倍以上であった。
 1996年のワシントン州ジャガイモの収穫量は、901.6億ポンドと予測され、95年の808.5億ポンドの12.5%増で、94年の最高記録889.2億ポンドを凌いでいる。収穫面積は163千エーカーで、95年の147千エーカーから11%増で、収量、品質は平年より多少高めと報告されている。生育期初期に気温の高い日が続き、時には褐斑病、空洞病の懸念もあったが、96年は問題になっていない。
 アイダホ州南部では、泥土のため春の播種が遅れ、6月半ばの降霜で発育は遅れたが、夏は高温乾燥の理想的な天候が続き、96年の収量、品質は平均以上と報告されている。アイダホ州の今年の収穫量は、これまでの最高記録1388億ポンド(1994年)を上回り1399.6億ポンドで、95年の1326.6億ポンドから6%増加している。収穫面積は408千エーカーで、95年の2.5%増であった。
 オレゴン州南部で史上最高気温を記録した後、早霜の降りた地域もあったが、収量は平均並、サイズは小さめ、品質は良好と報告されている。オレゴン州のジャガイモの生産量は全米第三位だが、96年の収穫量は史上最高を記録し319億ポンドで、95年の248億ポンドより29%上回っている。以前の最高記録は76年の289億ポンドであった。収穫面積は64千エーカーで、95年より20%増加している。
 1996年の全米のジャガイモの収穫量の見通しは4480億ポンドで、95年より11%、94年より5%増加している。コロラド州、ウィスコンシン州でも史上最高の収穫で、この全国的な供給過剰のため、生食用ジャガイモの市場価格は、95年の3分の1近くまで落ちている。11月12日現在、貯蔵用ジャガイモは100ポンド当たり3ドル、品質の最も高いジャガイモでも100ポンド当たり3.50ドルであった。加工用ジャガイモは契約栽培で、トン(米トン)当たりの価格は95ドルから100ドル(100ポンド当たり4.75〜5.00ドル)で、95年はトン当たり88ドルであった。
2. 疫病防除費用の調査
 1995年のジャガイモの疫病防除費用の調査が、ワシントン州立大学研究者、普及員2名、オレゴン州立大学研究者によって行われた。この調査にはワシントン州、オレゴン州両州コロンビア・ベースン地方、41人の生産者が参加した。
 早生、中生のジャガイモの品種に対する、一農場当たり一年間の殺菌剤散布回数は2回から10回で、平均して5.8回であった。晩生の品種に対する散布回数は6回から18回で平均して9.7回である。早生、中生品種の殺菌剤と散布費を合わせた1エーカー当たりの費用は平均109ドルで、晩生品種のこの費用は1エーカー当たり平均181ドルと計算されている。最も頻繁に使用された殺菌剤はブラボー ( Chlorothalonil )で、全体の35.8%であった。
 94年の早生・中生品種の散布回数は平均2.0回、殺菌剤・散布費は合わせて1エーカー当たり26ドルで、晩生品種は散布回数平均2.5回、殺菌剤・散布費は1エーカー当たり48ドルであった。
 95年にワシントン州ジャガイモの95%は収穫前、乾枯剤(茎葉を枯らす薬剤)が散布されたが、94年乾枯剤の使用されたのは67%であった。95年の乾枯剤と散布の費用は、1エーカー当たり平均34ドルである。オレゴン州のラセット系の晩生の品種は、95年、94年共に100%乾枯剤が使用されたが、早生・中生の品種は94年に乾枯剤は全く使われていない。
 95年のジャガイモの収量は、94年と比較してワシントン州で6%、オレゴン州で4%低かったが、これは疫病が大きな要因の一つというのが生産者、加工業者、コンサルタント、普及員の間で意見が一致している。収量の減少は疫病発生の直接的被害よりも、収穫前の乾枯剤早期使用が多かったためと見られている。晩生の品種に対して乾枯剤を使用した場合、薬剤を使用しない場合と比較して、約5%減収の可能性がある。
 疫病の感染したジャガイモの貯蔵は、市場に出せないだけでなく、軟腐病 (エルビニア菌による)等の二次的な病原菌による経済的損害の恐れもある。出荷業者による検査、貯蔵庫の管理、モニター等、間接的費用も生産費に加算されることになる。これらの疫病による貯蔵庫内の損失や間接的費用は、オレゴン州で約3百万ドルと報告されている。
コロビア・ベースン地方の95年の疫病に対する防除費の総額は、3千万ドル近くに昇った。この内ワシントン州コロンビア・ベースン地方北部の殺菌剤・散布費は8.3百万ドル、同南部は13.2百万ドル、オレゴン州3.8百万ドルであった。94年のコロンビア・ベースン地方全体の殺菌剤・散布費総額は、3%収穫面積が高いにもかかわらず6.6百万ドルで、95年には前年より18.7百万ドル多く殺菌剤散布費用がかかったことになる。
 
 
3. 米国北西部のジャガイモの疫病対策
 1840年代のアイルランド大飢饉を引き起こした疫病は、乾燥した米国西部では問題ないと最近まで考えられていたが、1993年にオレゴン州で初めて発生している。より悪性の系統も出現し、気候条件も疫病の広がりに貢献している。疫病の最も発生しやすい条件は、気温摂氏25.5度以下、湿度90%以上と言われている。
 オレゴン州マルヒュア郡試験場では、生産者、アイダホ大学研究者との協力で、8ヶ所の観測所を設け、ジャガイモの疫病の監視をしている。収集された天候のデータは、「ブライト・キャスト」と呼ばれるコンピューターのソフトに通され、自動的に疫病リスク・ナンバーが算出され、週に2回生産者に提供されている。例えば、リスク・ナンバー15は疫病が7日から10日の間に発生する恐れがあることを意味し、生産者は予防手段として殺菌剤を散布することができる。フリーダイヤル、ファックス、ホームページ、電子メール等、新しいテクノロジーも積極的に採用され、フリーダイヤルは4000回、インターネットのホームページには2000のアクセスがあった。
 マルヒュア郡では、低温の湿った天候のため疫病の発生が懸念されたが、殺菌剤による早期予防のため蔓延は避けることができた。殺菌剤のコストは、1995年は1エーカー当たり約150ドルであったが、96年は1エーカー当たり約40ドルに押えられている。これからの目標は、予報を更に正確にするため、ソフトウェアの改善を図ることで、湿度探知機を増やす考慮もされている。
 疫病対策は収穫期間を通して行われる必要がある。疫病菌は茎葉無しでは生存しないため、ジャガイモの茎葉を完全に枯らすことが疫病の予防につながる。収穫中ジャガイモが感染した茎葉と接触して疫病の感染する場合もあるので、収穫前に茎葉が枯れていることが重要である。このため収穫3週間前に茎葉を枯らすことが望ま
しいとされている。茎葉を枯らす手段として薬剤、機械、自然(降霜)による方法があるが、効果に差があるかどうかのデータは出ていない。
 疫病の発生した圃場は、ジャガイモの茎葉を枯らした後でも、殺菌剤を散布する必要のある場合もある。96年の疫病に感染されたジャガイモが越冬し、97年の疫病を引き起こす事もありうる。ワシントン州の調査によると、収穫後95,000のジャガイモが圃場に残されていた。これは1平方フィート当たり平均2.2個以上のジャガイモが残っていた計算になる。圃場に残されたジャガイモの66%は土壌の深さ2インチ、28%は2〜4インチ、6%は4〜6インチの深さに残っていた。浅い方が低温によって枯れる可能性が高い。
アイダホ州南西部で、秋の耕起が自然発生の本数にどう影響するかの調査も行われている。95年に14の圃場が評価され、一圃場から10ヶ所、1平方メートルのサンプルで自然発生の本数が調べられたが、多いところでは1エーカーに27,000本見つかっている。95年秋、はつ工板プラウのかけられた圃場は、耕起しない圃場と比較して、自然発生の本数は4倍以上であった。このため、収穫後秋の間、はつ工板プラウはかけるべきでないと勧められている。
<<参考>>
 アメリカのコーネル大学において疫病の進展過程の予測システムがインターネットで公開されています。
http://ppathw3.cals.cornell.edu/arneson/contents/lateblit.html
 
日本いも類研究会 ニュースレター第6号 1997.7.2 (計6枚) 次回の発行は7月の予定です。