JRT 日本いも類研究会(Japanese society of root and tuber crops)     ニュースレターNo.10 1997/11/28

日本いも類研究会ホームページ JRTWeb  http://www.jrt.gr.jp/

 

■イベント さつまいもweek

    農林水産省 畑作振興課 いも類班 一之瀬

         TEL 3502-8111 内線 4327

 

 宮崎県では12月上旬に「さつまいも」をテーマにした幾つかのイベントが1週間(12/4〜12/10)の間に集中して開催されます。

 まず、先頭をきって12月4〜5日には九州いも類研究会。ここでは地域の試験研究機関等の関係者により、いも類に関する研究成果の発表と今後の研究推進方向について検討が行われます。

 これに続いて8日には「新たなかんしょへの挑戦in宮崎」。ここでは、国内の生産、流通、加工、消費までの幅広い関係者が一堂に会し、甘しょの消費拡大と国内生産の振興に向けて情報交換を行います。また、12月1日から8日の間、加工品の展示を行います。

 そして、最後に9日から10日にかけて「カンショの21世紀型生産システムの技術開発戦略に関する国際ワークショップ」。ここでは、世界の各国から研究者を招いて、品種開発、生産管理、流通加工等の分野における最新の成果を発表すると共に、総合的な生産システムについての研究戦略と国際協力の可能性について検討を行います。

さつまいもWeek

日 程

名 称

主 催

連 絡 先

12月4日

   〜5日

九州いも類研究会

九州農業推進会議

(九州いも類研究会)

九州農業試験場甘しょ育種研究室

山川 理

Tel 0986-22-1506

Fax 0986-23-1168

12月8日

「新たなかんしょへの挑戦in宮崎」シンポジウム

財団法人 いも類振興会

宮崎県いも類産地再編推進協議会

宮崎県いも類産地再編推進協議会

事務局

Tel 0985-26-7136

Fax 0985-26-7338

12月9日

  〜10日

カンショの21世紀型生産システムの技術開発戦略に関する国際ワークショップ

科学技術庁、農林水産省九州農業試験場

九州農業試験場遺伝資源利用研究室                        中谷 誠

Tel 0986-22-1506

Fax 0986-23-1168

 

 

「新たなかんしょへの挑戦in宮崎」について

  1. 背景

 

2.趣旨

 生産、流通、加工、消費の幅広い分野にわたって、全国の甘しょ関係者による連携と交流を促進し、新商品、新規用途の開発による需要の開発とこれに対応した用途転換の促進など生産振興を推進する。

 

3.日時及び場所等

【シンポジウム】12月8日(月) 12:00〜17:00 宮崎県JAビル AZM(アズム)ホール 1階

参加費無料、参加記念品(甘しょジュース等)

【試飲・試食会】12月8日(月) 17:30〜19:00 宮崎県JAビル AZM(アズム)ホール

参加費無料

 

【展示会】   12月1日(月)〜8日(月)(土日を除く)9:00〜17:00 

        宮崎市霧島1丁目 宮崎県JAビル 1階ロビー

         出展予定品 パウダー、ジュース、パン、麺類、菓子類等

 

4.主催者

○財団法人 いも類振興会     東京都港区赤坂6-10-41ヴィップ赤坂303号

               [TEL]03-3588-1040

 ○宮崎県いも類産地再編推進協議会 宮崎県宮崎市橘通東2-10-1(県庁 農蚕園芸課内)

               [TEL]0985-26-7135

 後援:農林水産省、宮崎県、宮崎県経済農業協同組合連合会

 

5.スケジュール

12:00〜12:50 受付

13:00〜15:10 講演

       「いも類の育種の現状と新たな用途開発」

      講師:九州農業試験場 甘しょ育種研究室長 山川 理 氏

      「宮崎県におけるかんしょの加工開発の現状について」

      講師:宮崎県JA食品開発研究所長  杉田 浩一 氏

15:20〜17:00 パネルディスカッション

       「甘しょ産業の未来について」コーディネーター  山川 理 氏

17:00 閉会

17:30〜19:00 試飲・試食会

 

6.出席・出展の連絡先

  宮崎県農政水産部農蚕園芸課蚕糸・特産作物係内

  宮崎県いも類産地再編推進協議会事務局

  [TEL]0985-26-7136 [FAX]0985-26-7338

 

カンショの21世紀型生産システムの技術開発戦略に関する国際ワークショップ

International Workshop on Sweetpotato Production System toward the 21th Century

 

主催:科学技術庁、農林水産省九州農業試験場

後援・協賛:農林水産省九州農政局、宮崎県、鹿児島県、都城市、JA都城

期日:1997年12月9日(火)9:00〜10日(水)12:00

会場:サンピア都城(宮崎県都城市早水町4503-10、TEL0986-26-8855)

趣旨:カンショの次世代の生産システム技術に関して、品種開発、生産管理技術、流通加工技術等について国内外の研究者が最新の成果を持ち寄り、これらを統合した総合的な生産システムの姿とその社会的インパクトや持続性について議論し、今後の技術開発の方向・戦略、国際的研究協力のあり方を探る。

使用言語:英語(同時通訳等はございません)

プログラム

 基調講演

 セッション1:品種開発

 セッション2:生産管理技術

 セッション3:流通加工技術

 セッション4:環境保全と社会へのインパクト

レセプッション:12月9日 17:30〜20:00

エクスカーション:12月10日 午後

出席者:世界11ヶ国から25名の招待講演者他

連絡・問い合わせ先:〒885 都城市横市町6644 九州農業試験場畑地利用部

             遺伝資源利用研究室 中谷 誠

             Tel 0986-22-1506、Fax 0986-23-1168、

             E-mail mnakatan@mykz.affrc.go.jp

 

会場の大きさに制約がございますので、聴講ご希望の際は、事前に上記までお申し込み下さい。

ワークショップ自体の聴講は無料ですが、レセプッションに参加される場合は4,000円頂戴します。

 

 

インドネシアの馬鈴しょ事情とプロジェクト技術協力《その2》

 

農林水産省統計情報部企画調整課 矢野哲男

 

 前号で紹介したように、平成4年からの5年間で実施してきた「インドネシア種馬鈴薯増殖・研修計画」が本年9月末をもって終了しました。インドネシア政府は、前プロジェクトの成果が極めて良好であったことから、北スマトラ、中部ジャワなどの主要馬鈴しょ産地6州に全国展開することを計画しています。

 このため、技術協力の可能性について8月に現地調査を行った訳ですが、2週間程の日程のうち8日間はジャワ島を 2/3ほどバスで縦断しながら中部ジャワ州と西ジャワ州の馬鈴しょ産地を見学することができました。

 

【中部ジャワ州】

中部ジャワ州では種いもの8割が自家採種で、残りの2割が輸入種子由来のものや西部ジャワ州から移入された種いもです。訪問先のウオノソボ県では、グラノーラ、ヘクタ、アトランティックなどの品種を生産していますが、このうちグラノーラが9割を占めています。このグラノーラは、正式名称は『グラノーラL』といい、ドイツから導入した品種を現地で選抜したものです。 この地域では 4万ha程の畑地に5〜6千haの馬鈴しょ、他にキャベツ、ニンジン、ニンニク等の野菜類が作付けされていました。

 作付体系は、馬鈴しょ→馬鈴しょ→ニンニク、馬鈴しょ→タバコ、馬鈴しょ→キャベツなどで、中には馬鈴しょを3作するようなケースもあるようです。

 現地での聞取りでは、単収水準は、輸入種子由来の種いもで約25t/ha、自家増殖した種いもだと15〜17t/haで、30〜40gの種いもを37000〜40000個/ha使用しているとのことでした。

 インドネシアでは、今後、種馬鈴しょの流通をスムーズに行うことが大きな課題になりますが、例えば稲の種子については、サイヤンスリー、PTプルタニなどの公的な種子流通業者が担当しています。サイヤンスリーは稲、トウモロコシ、野菜等の種子を専門に扱う公社で、PTプルタニは、肥料、機械、農薬、種子、苗木、精米、備蓄倉庫など、あらゆる農業生産資材を扱う準公社です。特に、今回訪問したPTプルタニの中部ジャワ支店では、馬鈴しょについても参入すべしとの中央(農業省や本店)の指令を受けて、専従職員の養成やクロンボクタン(営農集団)との試験栽培適地の選定、さらには種いもに関するマーケティング調査の開始など、準備を熱心に進めているのが印象的でした。

 

【西ジャワ州】

 州政府担当官によれば、西ジャワ州の馬鈴しょ栽培面積は概ね 12000haで、潜在的には 30〜40t/haの生産力があるが、現在は17t/ha程度の水準にとどまっており、今後は 17000haまで増産することを予定しているとのことでした。ただ、現地での関係者からのヒアリングの中で、馬鈴しょ栽培の水準が最も高い西ジャワ州においても、採種農家レベルにおいて、種馬鈴しょと一般青果用との栽培方法の違いが十分には理解されていないという問題があることが浮かびあがってきました。このあたりが、今後のプロジェクト協力の大きなテーマになるでしょう。

 西ジャワ州においては、種いもの公定価格は 2000ルピア/sで、農家からのヒアリングによれば実売価格は2000〜2500ルピア、そして検査済みのものでなければ、この価格では販売出来ないとのことでした。種馬鈴しょ栽培農家が生産した種いもは、種苗取り扱い業者が一般栽培農家に紹介し、売買金額の 0.5%の仲介手数料を取

るというシステムのようです。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 政府担当者によれば、インドネシアの馬鈴しょの需要は、人口増加とファーストフードの浸透などもあって大きく伸びているようです。確かに、ジャカルタのサリナデパートの食品売り場には、国産や外国産(日本産を含む)のポテトチップスが大きな棚に積まれていました。所得水準が向上し、生活水準が上がれば馬鈴しょの需要が増えるのは多くの途上国に共通した現象のようです。今後のプロジェクト技術協力の内容については詳細を検討中ですが、いずれにしても、これまでの成果を基礎に更なる展開が期待されています。

 

産地だより 馬鈴薯新品種「とうや]の栽培取組

 

北海道常呂郡 端野町農業協同組合 園芸部長 田中雅彦

 

 昭和60年代から平成に入り、東北産地の馬鈴薯生産量が年々減少となり、7〜8月の国内馬鈴薯は供給不足傾向となっています。一方消費地での北海道産馬鈴薯は年々、品質・白黒(栽培土壌による外皮の着色)により価格差が生じ、産地間の所得格差が大きくなりつつあります。瑞野町の囲場は黒土が多いため、収穫が遅れると有利な「白いも」の生産が不可能な状況でした。

 生産者の所得向上を図る馬鈴薯栽培として、当町は「ワセシロ」を「ネオ男爵」のブランドで生産・販売していましたが、もう少し前進栽培できる生食馬鈴薯品種を求めていた時、平成元年農林水産省北海道農業試験場作物開発部ばれいしょ育種研究室の梅村室長と森研究員氏よリ「北海70号」の品種についてお話を伺い、地域適応試験栽培等を実施依頼しました。平成2年より当JA元参事の酒井義廣氏が栽培調査を開始し、同年9月初旬に生産した北海70号を、東京多摩地区の消費者15名に1kg小袋詰と男爵いも・ワセシロと比較する食味アンケートを渡し、調査回収の結果、味が艮く・肉質(舌ざわリ)がなめらかと、優れているという評価となりました。このような調査を数回実施しながら、北海70号の品種登録と原々種の配布を待って、平成5年から町内で種子生産を開始し、平成8年より前進栽培品種として生産・販売が始まったのです。

 栽培に関しては、7月下旬〜8月中旬収穫を目標とし、収穫時にライマン13%以上の完熟馬鈴薯収穫を第一の基準としています。このことは消費者へ北海道産新品種のスタートにあたり、味の悪いイメージを与えないこと、また府県消費地が高温であるため、未熟馬鈴薯では輸送中及び着荷後腐敗を防ぐためです。生産者と生産組織あげて浴光育芽の徹底と、圃場の早期融雪による地温確保を行って、栽培に当たっています。

 販売については、早期出荷で価格が安定していることと、肉質が黄色であり、用途も限られるため実需販売をホクレンと進めており、順調に消費先確保を行っております。特に消費拡大には、早期に完熟した旬の味が届けられることと、芽数が少なく、目が浅いため調理が効率的で歩留りが大変良いことであります。

 生産者にとっては、前進栽培収穫で作業が進み、一般馬鈴薯についても、気象条件の良い9月中旬を目途に収穫がほほ終了するため、品良く、白いも収穫率が向上改善されました。

今後も「とうや」については、前進栽培による販売期間拡大を基本に需要に合った栽培を生産者と共に進め、産地確立を目指していきます。

 

■イベントレポート 新ジャガまつり&ジャガイモ再発見セミナー

サイボクハム 山田英治

 

ジャガイモと豚との関係は深い。世界の食文化をみても、ドイツに代表されるように、豚肉とジャガイモの相性は非常に良い。21世紀の食文化創造をコンセプトとするサイボクとしても、重要な食材として位置づけ、「新ジャガ」をテーマにはじめてのイベント(即売会&友の会向けセミナー)を組んだ。

 

新ジャガまつり97.6.10〜15

 

 ジャガイモの産地と言えば、すぐ頭に浮かぶのは北海道である。しかし、関東のジャガイモの季節は、新ジャガの掘りとれる6月であり、北海道ものの出荷では谷間となる時期である。そこで、全国第二位の産地であり、5月の新ジャガの出荷量では主力産地となる長崎県もののイモを販売することとした。

 だが、長崎県のジャガイモ生産者と直接ルートがなかったため、日本いも類研究会(全国のジャガイモ・サツマイモ研究者、関係者約170名が相互の情報交換の為に設立した団体)の総会に出席したのを機会に、事務局を通して、長崎県種馬鈴薯協会を紹介して頂いた。協会局長の酒井 司氏は、快くサイボクの企画に賛同され、わざわざゴールデンウィーク中に、長崎より下見にまでお越し頂いた。

 結局、長崎県の主産地である愛野町(雲仙島原の隣りで、島原半島の玄関口に位する。長崎県農試愛野馬鈴薯支場があり、日本一の暖地向け馬鈴薯産地の町)の新ジャガ4品種を種馬鈴署協会が2.5t持って即売することとなり、地元では高萩生産直売所有志が自家の畑で収穫した新ジャ2品種を販売することとなった。

■長崎の新ジャガ即売の反響

 長崎は約400年前にオランダ人によって日本に最初にジャガタライモが伝来された地である。品種は、北海道などの寒冷地向けジャガイモ品種とは違い、暖地向けのジャガイモ品種で、おのずとその特性が違う。イモとしては、でん粉価が低く、やや水っぽいが、外観が美しく、煮くずれしにくく煮物向きである。更に、軽くゆでて食する「しゃきしゃきサラダ」には最適である。関東では手に入りにくい『デジマ』『ニシユタカ』『アイノアカ(赤皮・平成6年登録)』『西海26号(本年8月登録の新品種)』の4品種を、1キロ袋にして販売したが、試食(サイボクの豚バラ肉を便った「肉ジャガ」・サイボクのスモークショルダーを利用した「新ジャガしゃきしゃきサラダ」)をさせると大好評で、なかには10キロ箱をケースで買い求めるお客さまもいた。6日間で持参した約2.5tは無くなってしまったが、試食品を作りつつ販売した協会の内藤さん、杉本さんの両女性はすっかり疲れてしまった。でも、お客さまの中には長崎のイモを懐かしがる方もいて、「ぜひ、末年も!」との声が上っていた。

 

■地元高萩産の新ジャガ販売

 長崎に刺激されて生産直売所も熱心な販売体制をとり、互いに相乗効果があったとみられる。新ジャガの品種は『男しゃく』『ワセシロ』の二つであったが、やはり定番の男しゃくの売れゆきが良く、時々欠品となる状況であった。試食品としては、蒸しイモの他に「新ジャガ和風サラダ(ワセシロ)」「サイボクじゃがベー・スナック(ベーコンと男しゃくの蒸しイモ)」を出したが、これも大好評ですぐに無くなってしまう状況であった。

■手作り料理集「ポテト&ミート・ファミリークッキング

今回の催事にあたり、料理提案も行おうということで、営業部の吉田千里・千葉由加理、両女性社員が主体となり、ポテトとミートの相性料理をうたった手作り料理を作成した。内容は14品のレシピを載せたもので、即売会場のミートピアハウスに各レシピを配布用に置いておいたところ、3日間位で無くなってしまうという始末であった。

 

ジャガイモ再発見セミナー97.6.13

 

■レストラン昼食会“特製新ジャガ料理”に、参加者一同大満足

当初は、50名定員の参加者集めが危まれたが、当日間近かになると定員オーバーになる有様。レストランの洋食コーナーを貸し切っての新ジャガ「ポテト&ミート特別料理」昼食会であったが、8品出された料理のなかで好評だったのは、アイノアカ、牛肉・豚肉を使った徳江チーフ特製の肉ジャガ。

参加者の中には、あまりの美味しさに「どうしたら、こんなに美味しい肉ジャガができるのか」詳しく聞き入る客もいた。

 

■講演“新ジャガの利点”に皆、納得!!

 矢野哲男(農林水椎省畑作振興課課長補佐いも類班)講師によるわかり易い「新ジャガのおいしさ・栄養再発見」の講義に、食後居眠りする者もなく聞き入った。新ジャガは未熟でも、ふつうのイモに比ベビタミンCは豊富、エグ味も少ない、皮に近いほど栄養がある(新ジャガは薄く皮をむいて食べる)など、一同納得の連続であった。

 帰り際に、参加者には新ジャガのお土産が配られ、皆ホクホク顔で帰っていった。

 

JRTニュースレター編集委員会 ご意見・投稿は、FAX 01527−5−2012 まで。

日本いも類研究会 ニュースレター第10号 1997.11.28 (計5枚) 次回の発行は12月です。