アンデス赤 (あんですあか)

登録番号 農林認定
種苗法 
北海道 (地域在来品種等)
異名 ネオデリシャス、レッドアンデス、アンデスレッド
地方番号
系統名  
系統番号 M72218  
組合せ Early Rose×S. phureja (W253) (川上幸治郎)

花 (北見農試) 草姿 (北見農試) 塊茎 (北見農試)
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(1)来歴

 昭和46〜49年(1971〜1974)にかけて(系統名から昭和47年(1972)に交配が行われた可能性が高い)、川上幸治郎名城大学名誉教授らが「Early Rose」を母、アンデス原産の2倍体栽培種「S.phureja 253」を父として交配し「M72218」の名で選抜し、「ネオデリシャス」と呼んでいた3倍体の種間雑種系統です。
 表皮が赤く、肉色が鮮黄色で食味も良く、春秋二期作が可能であるなど他の品種にはない特性を持っており、岡山県牛窓町のばれいしょ採種農家が、在来種として栽培を繰り返し、維持してきたものが、一部の市場で「アンデス赤」という名称で好評を博しました。麒麟麦酒株式会社が「ネオデリシャス」として品種登録を出願(出願番号3767号)しましたが、出願は取り下げとなりました。岡山県では本格的な原原種の配付を受けるため、平成2年(1990)3月に本品種の地域特産化を図る計画を策定し、県知事名で原原種の配付を正式に依頼し、平成5年度に原原種の配付が正式に決定しました。北海道においても優良品種には認定されていませんが、十勝農協連が地域在来品種として原原種の増殖を申請し、平成12年(2000)に承諾され、原採種生産が行われています。北海道における平成18年(2006)の作付面積は21haでした。
 育成者らは「ネオデリシャス」と呼んでいましたが、原採種栽培での名称は「アンデス赤」となっており、一般には「アンデス赤」、「レッドアンデス」、「アンデスレッド」、「アンデス」などの名称で販売されています。
 麒麟麦酒株式会社の「ジャガキッズ」シリーズの元になった品種といわれています。

(2)形態的特性

 そう性はやや直立型です。茎は長く、茎翼はやや波状を呈します。茎色は濃赤で緑の斑紋があります。小葉の形は細い。花の色は紫系で花弁の両面先端は白いです。3倍体のため、自然結果は通常みられません。
 ふく枝の長さは中。いもの形は球形で、皮色は鮮やかな赤、表皮の粗滑はやや滑で、目の深浅は中です。肉色は「セトユタカ」よりも黄色が強い

(3)生態的特性

 休眠期間は「デジマ」と同程度に短く、長期貯蔵には向きません。枯凋期は中晩生です。上いも数および上いも収量はやや多。春作では「デジマ」や「男爵薯」に比べ多収となり、秋作では「デジマ」並の収量といわれます。澱粉価はやや低。肉質は粉質で、調理後黒変の程度は少、煮くずれの程度はやや多。舌ざわりは滑らかで、サラダなどにも向いています。チップ・フライの褐変程度は中。食味は上。粗たん白、ビタミンCは「セトユタカ」、「デジマ」と同等です。カロチノイドについては、β-Carotene、Neoxanthin、Violaxanthin、Antherexanthinなどが「セトユタカ」(カロチノイドの高含有品種)より格段に多く、カロチノイド総量で約4倍の含有量があり、機能性食品としても期待されます。
 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性は無い
 関東以西、中国や九州では二期作が行われ、北海道でも近年試作されています。鹿児島で栽培すると中生で、中ないし大粒が多く多収となり、よくできると極粉質で美味になる。北海道で栽培すると、中程度以上の大きさのいもに中心空洞が発生することがあります。暖地の春作では疫病で枯れ、食味は中の上。秋作では防除しなくても粉質で良質のものになります。



文献

富田良美・川上幸治郎.“バレイショの種間雑種”.ポテトサイエンス.9,71-78(1989)

貝原三雄.“岡山県におけるばれいしょ生産”.いも類振興情報.57,1-5(1998)

関連Web

ばれいしょ品種の形態及びウイルスの病徴 (1) (独立行政法人種苗管理センター


ジャガイモ品種「アンデス赤」「ジャガキッズ」 (ジャガイモ博物館(浅間和夫氏による解説))





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