樺在来一号

(1)樺在来一号 (樺試育第七八二号)
 本種は在来種より本所に於て純系淘汰法により選出せる純系種にして「在来第一三号」を改称せるものなり。牧量,品質共に優り本島各地の風土に恰適するを以て広く普及せる品種なり。
 葉は緑色,楕円形にして,花は白色なり。茎の太さは中庸にして草丈約2尺に達す。早熟性品種にして疫病に対する抵抗性弱し。薯塊は長楕円形にしてやや扁平,一般に大粒にして1箇の平均重量22-23匁に達す。表皮は淡紅色を呈し平滑,目は稍浅く,断面楕円形を呈す。風味佳良なり。澱粉含有率は15.67%に及び,澱粉製造用及煮食用として貴ばる。
 開花期は7月下旬にして,収穫期は9月下旬より10月上旬に亘る。



文献

進藤省三・渡邊保治 主要農作物優良品種の解説 樺太庁中央試験所彙報 第32号 第1類(農業)第12号 (1938)  【北海道立文書館蔵】






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