ホッカイアカ

登録番号 農林認定 ばれいしょ農林15号 1966. 5
種苗法 
北海道優良品種 ばれいしょ北海道第8号 1971.6.17登録
1984.3.19廃止
地方番号 北海41号
系統名 島系455号  
系統番号 56039-8  
組合せ 2070-ab(31)×島系290号 (1956 北海道農業試験場) 系譜図

花 (田中智) 草姿 塊茎 (田中智)
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(1)来歴

 昭和31年(1956)に北海道農試において、スコットランドから導入した疫病抵抗性遺伝子R2R4を持つ種間雑種系統「2070-ab(31)」を母、比較的高澱粉価の赤皮黄肉系統の「島系290号」を父として人工交配を行い、翌年に実生を養成し、以降選抜を重ね、昭和36年(1961)に「島系455号」の系統名、昭和37年(1962)には「北海41号」の地方番号を付して地方適否を検討してきたものです。昭和40年(1965)に「ばれいしょ農林15号」として登録され、「ホッカイアカ」と命名されました。
 昭和43年(1968)には1,183ha作付されましたが、収量を上げようとして多肥にすると澱粉価が下がり品種特性が発揮されないことなどから農家に受け入れられず作付面積は減少していき、昭和59年(1984)に優良品種から廃止になりました。
系譜図

(2)形態的特性

 萌芽時の葉色は黒紫色を呈します。そう性は開張型で、茎長は「農林1号」よりやや長く、茎数はやや少ない。茎色は褐色ないし紫色で細く硬い。分枝が発生しやすい。小葉は数は多いが小さく、着生は疎です。葉色は濃緑で特徴があります。花は淡赤紫色で、つぼみのうちに落ちることが多いため開花することはまれです。
 いも着は密でいも数は多い。いもの形は長紡錘形で、皮色は赤褐色です。目は多いがやや浅い。肉色は淡黄色です。

(3)生態的特性

 枯凋期は「農林1号」より5〜10日遅い晩生品種ですが、いもの肥大は比較的早いので茎葉枯凋を待たずに早掘りもできます。年次または地域により茎が直立して分枝が少ない場合には、茎葉枯凋が早くいも収量が十分に上がらない傾向があります。いも数は10個以上と多く、いもの大きさは「農林1号」よりやや小さく、中粒が多く不ぞろいです。いも収量は「農林1号」並ですが、澱粉価は18%以上で「農林1号」より2〜3ポイント高いため、澱粉収量は10〜20%多収となります。

(4)病害虫抵抗性

 疫病抵抗性遺伝子R2R4を持ち、レース2・4または1・2・4等が発生しない限り罹病はしません。ウイルス病には中位の抵抗性で「農林1号」や「エニワ」と大差がありませんが、えそモザイク病が多い。粉状そうか病には強い。青枯病には強くありませんが、軟腐病にはやや強い。

(5)品質特性

 澱粉粒子の大きさは、大きい粒子はあまり多くなく、21〜40μの中粒のものが大部分を占め、20μ以下の小さいものは特に多くはありません。
 澱粉原料用ですが食味も良い。

(6)適地及び栽培上の注意

 地域適応性が大きいと考えられ、道内の主要澱粉原料地帯にはどこでも奨励できるが、9月に曇天降雨が多く、塊茎の疫病発生の多い地帯では避けた方がよいとされていました。
・「紅丸」、「農林1号」などの一部と置き替えられるが、一応晩生品種として取り扱い、作付割合は工場操業の点から考え、計画的に決定した方がよい。
・地力の高いところで密植(5,000個体/ha)し、やや多肥とするのがよい。
・いもの着生は密で掘り取りは容易ですが、形が長いので注意する。
・本品種を侵す疫病菌レース2・4または1・2・4等の発生があった場合、従来の品種と同様に疫病防除につとめなければならない。

育成従事者

高瀬昇、永田利男、梅村芳樹、田畑健司、入倉幸雄、那須千一郎、岡啓



文献及び関連Web

高瀬昇、田畑健司、入倉幸雄、梅村芳樹、永田利男、岡啓.ばれいしょ新品種「ホッカイアカ」について”.北海道農業試験場彙報.90,15-23 (1966) (農林水産研究成果ライブラリー)

ばれいしょ「北海41号」に関する試験 (北の農業情報広場



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