根室紅

北海7号
島系187号

(1)来歴

 昭和15年(1940)に北海道農事試験場(島松)において「本育393号」を母、「Parnassia」を父として交配して育成された系統を、昭和21年(1946)に北海道立農業試験場根室支場が分譲を受け、「島系187号」として同年以降生産力検定試験を継続し、昭和26年(1951)に管内の町村で地方適否を調査した結果、多収で澱粉含有率も高く優良であることから、昭和27年(1952)に根釧地方の限定優良品種に決定し「根室紅」と命名されたものです。

(2)特性

 特性は「紅丸」とほとんど同一で、地上部やいもにおいても区別し難いとされます。
 茎長は「紅丸」、「農林1号」より長く、茎数は少ない。草勢は強い。いもは扁楕円形で色は赤く目は浅い。
枯凋期は「紅丸」よりやや遅い。
 一般に「紅丸」より多収で、澱粉価も若干高い。食味は良好です。疫病には紅丸と同程度で、「農林1号」よりやや弱い。「紅丸」と同様に二次生長を起こしやすいのが欠点です。
 特に根室地方などの冷涼な地帯で良い成績をあげています。
 食用兼澱粉原料用として「紅丸」に代わり根釧の内陸地方に栽培するのに適する品種とされていました。


文献及び関連Web

山口辰一郎.“馬鈴薯新優良品種「根室紅」の特性”.北農.20(12),389-392 (1953)



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