ノースチップ

登録番号 農林認定
種苗法  第10618号 2002. 9.30登録
2009.10 1消滅
北海道優良品種 ばれいしょ北海道第33号 1999. 3. 9
地方番号 P961 (1996)
系統名  
系統番号 88211-10  
組合せ ホッカイコガネ×ND860-2 (1988 ホクレン農総研)

花 (ホクレン農総研) 草姿 塊茎 (ホクレン農総研)
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用途 加工食品用(ポテトチップ)
長所
  • 低温(6℃)での長期貯蔵後のチップ品質が優れる。
短所
  • 小粒のため、中以上いも収量がやや少ない。
  • ジャガイモシストセンチュウに感受性。


chip
 左:トヨシロ 右:ノースチップ
 6℃貯蔵後のポテトチップの比較

(1)来歴

 昭和63年(1988)にホクレン農業協同組合連合会農業総合研究所長沼研究農場において、低温下で長期貯蔵が可能な加工食品用(ポテトチップ用)品種の育成を目標に、ホッカイコガネ」を母ND860-2」を父として人工交配して得られた真正種子から選抜して育成された品種です。父親の「ND860-2」はアメリカ合衆国で育成され、わが国で「ドクタージョハンセン」として種苗登録された低温貯蔵下で還元糖量の増加が極めて少ない品種です。交配の翌年に実生個体選抜を行い、第二次個体選抜の後「88211-10」の系統番号を与えてポテトチップ原料用として選抜を重ね、平成5年から7年まで(1993-1995)ホクレン長沼研究農場で輸入品種等選定予備試験を行い、平成8年(1996)より「P961」の名を付して道立農業試験場における輸入品種等選定試験(生産力検定試験、特性検定)および農林水産省北海道農業試験場における生産力検定試験等に供試し、平成9年より道内各地における現地試験に供試しました。その結果、ポテトチップ加工適性、特に低温貯蔵後におけるチップカラーが優れていることから、平成11年(1999)に北海道の奨励品種に決定しました。平成14年(2002)に「ノースチップ」の名で、種苗登録をされました。
 なお、昭和63年から平成4年まで(1988-1992)は北海道農業試験場との共同研究で本品種を選抜しましたが、平成4年度(1992)に同試験場がこれを棄却したため、その後はホクレン単独で選抜を継続し、平成6年度(1994)で共同研究を終了した際に、本品種の権利はホクレンにあることが確認されています。
 平成18年(2006)には53ha作付されました。

系譜図

(2)形態的特性

 そう性は中間型で、茎長は「トヨシロ」並です。茎の太さは中で、分枝は少ない。茎色は緑で赤紫の斑点を帯びています。茎翼は直です。葉色は緑、小葉の形はやや広く、大きさは中です。花色は赤紫(両面先白)で、花の大きさ、花数はともに中です。花粉量は中で、少程度の自然結果が認められます。
 塊茎の着生は密で、ふく枝はやや短い。いもは球形で目は浅く目数は中。外観は良い。皮色は黄褐で表皮はやや粗い。肉色は白い

(3)生態的特性

 萌芽、茎葉の初期生育ともに「トヨシロ」並です。いもの肥大速度は「トヨシロ」に比べて遅いですが、枯凋期はほぼ「トヨシロ」並の中早生に属します。
 「トヨシロ」に比べて上いも数は多く、上いも平均一個重は小さい。粒ぞろいは良く「トヨシロ」に比べて大いもの着生が少ない。上いも収量は「トヨシロ」並で、中以上いも収量は「トヨシロ」よりやや劣りますが、同程度となる場合もあります。でん粉価はほぼ「トヨシロ」並です。 

(4)病害虫抵抗性

 疫病抵抗性遺伝子型はR1と推定され、疫病圃場抵抗性は「トヨシロ」並の弱です。疫病菌による塊茎腐敗抵抗性は「トヨシロ」より強くやや強です。そうか病は「トヨシロ」に比べて発病度が若干低いものの病いも率は「トヨシロ」並に高く抵抗性は認められません。PVY-Oの汁液接種により接種葉には局部斑点、脈えそ症状、上位葉にはモザイク症状、脈えそ症状を現します。PVY-Tに対しては接種当代では無病徴です。葉巻病に対しては、自然感染により葉巻症状を現します。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性はありません。褐色心腐および中心空洞、二次生長は「トヨシロ」より少ない。

(5)品質特性

 調理後の肉質は中、煮くずれの程度は少で、舌ざわりはやや滑です。調理後黒変は微で剥皮褐変は少ない。食味は「トヨシロ」並の中です。
 「トヨシロ」に比べ、ポテトチップカラー(アグトロン値)は収穫時から高く、低温貯蔵(6℃)中のチップカラーの低下が「トヨシロ」に比べてかなり少なく、低温下での長期貯蔵が可能です。用途は加工食品用(ポテトチップ用)です。

(6)適地及び栽培上の注意

 普及対象地域は北海道一円、ただし、ジャガイモシストセンチュウ汚染地域は除く。
・収量を確保するために、生育の後半まで塊茎の肥大期間を確保するようにつとめる。
・ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持たないのでセンチュウ汚染地域での栽培を避ける。

育成従事者

(ホクレン)長谷川久記、五十嵐敏、大坂雅博、後藤正宣、北智幸、在原章公、児玉幹司、安田慎一
(北農試)梅村芳樹、木村鉄也、佐藤正人、西部幸男、森元幸、米田勉
平成4年に北農試は権利を放棄



関連Web

ばれいしょ「P961」(ノースチップ (成績概要書)
ポテトチップ用ばれいしょ新品種候補系統「P961」(ノースチップ  (研究成果情報 北海道農業(1999))


ばれいしょ品種の形態及びウイルスの病徴(2) (独立行政法人種苗管理センター


ジャガイモ品種「ノースチップ」 (ジャガイモ博物館(浅間和夫氏による解説))
「ノースチップ」のパンフレット


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