ほしキラリ


(1)来歴及び特徴
 「ほしキラリ」は、多収でいもの外観が優れる「関系112」を母、でん粉糊化温度がやや低い「九州127号」を父とする交配組合せにより育成された。命名の由来は、干しいも(蒸切干))用で、干しいもの食味と品質が非常に良いことによる。
 「ほしキラリ」は、シロタの発生がほとんど見られず、干しいもの食味も優れ、干しいもの外観も淡黄で良好であり、高品質蒸切干加工向けの品種としての普及が見込まれる。

(2)形態的特性
 いもの形状は「紡錘形」で、大きさは「中」、条溝は「微」で裂開や皮脈はなく、外観は「中」である。いもの皮色は「赤紫」、肉色は「黄白」である。

(3)生態的特性
 上いも重は「タマユタカ」より低く、6割程度であるが、「泉13号」より高い。切干歩合は「タマユタカ」と同程度かやや高い。萌芽性は「中」、貯蔵性は「やや易」である。

(4)病害虫抵抗性
  サツマイモネコブセンチュウ抵抗性は「やや強〜強」、つる割病抵抗性は「やや強」、立枯病抵抗性は「やや弱」、黒斑病抵抗性は「やや強」である。

(5)品質特性及び加工適性
 干しいものシロタ(中白)の発生程度は「微」で「タマユタカ」より明らかに少ない。干しいもの肉色は「淡黄」で外観が優れており、肉質は「やや粘」、繊維は「中」である。干しいもの食味は「上」で「タマユタカ」よりやや優れ、「泉13号」並みまたはより優れる。でん粉の糊化開始温度が通常の品種よりも5〜6℃程度低く、蒸煮時の糖化が進みやすいという特長も持つ。

(6)栽培上の注意