フサベニ(農林42号)


(1)来歴
 食用として皮色,形状が良く、複合病害抵抗性を持つ「関東85号」と外観特性の良い「千系7238-19」の組合せにより農業研究センターで育成されたもので、平成元年に命名登録された。品種の名称は、外観品質の良い赤色の塊根が総状に実ることを表す。
「総紅」、「Fusabeni」

(2)形態的特性
 いもの形状は紡錘〜長紡錘形で、条溝・皮脈ともに無く、外観は良い。皮色は濃赤紫、肉色は黄白である。

(3)生態的特性
 萌芽性は中程度である。早期肥大性は中程度であるが、普通掘りではベニアズマよりやや劣る程度で多収である。

(4)病害虫抵抗性
 立枯病,ネコブセンチュウにやや強の抵抗性を示すが、黒斑病には中程度、つる割病やネグサレセンチュウにはやや弱い。貯蔵性は高系14号並で中程度である。 ネコブセンチュウやタチガレ病に強い。

(5)栽培上の注意

(6)用途
 青果用品種。蒸しいもの肉色は黄白、やや粉質で繊維は中程度。食味は紅赤と同程度で高系14号に優るが、ベニアズマやベニコマチにはやや劣る。