春こがね(農林50号)


(1)来歴
 概観品質に優れ良食味で耐病虫性の「関東103号」と多収・良食味の「ベニアズマ」の組合せにより、農業研究センターで育成されたもので、平成10年に命名登録された。品種名は春に(沖縄で)黄金色のいもがとれることを表す。

(2)形態的特性
 いもの形状は長紡錘形でわずかに条溝はあるが、裂開及び皮脈は無く、外観は良好である。いもの皮色は濃赤紫、肉色は黄で、うん及びカロチンは無い。

(3)生態的特性
 萌芽性は良い。育成地における上いも重は、マルチ早堀及び標準栽培のいずれにおいても「ベニアズマ」を34〜35%、無マルチ標準及び多肥栽培でも20〜23%上回る。

(4)病害虫抵抗性
 黒斑病にはやや弱く、つる割病には弱い。立枯病に対する抵抗性は中程度である。ネコブセンチュウにはやや弱い。貯蔵性は中程度で「高系14号」には劣るものの、「ベニアズマ」より優れる。

(5)栽培上の注意

(6)用途
 青果用。蒸しいもの肉色は黄で、食味は良く、高系14号を上回ってベニアズマ並である。