今日は東京から深川の芸者だったという80ぐらいのおねえさんがきた。 展示室の「おいらん(花魁)を見てこう言った。
「あら、むかしたべたおいらんいもがあるじゃない。このいも大好きだったのよ。あまくて、ねっとりとしていて」

その皮の色は赤。身はまっ白。このいもの特徴は中心が淡い紫色であることだ。でもわたしには、それがなんで「おいらん」と呼ばれるのかがわからない。そのことをおねえさんに言ってみておどろいた。こんな答えが即座に帰ってきたからだ。
「おいらんはおしろいを顔にたっぷり塗ってまっ白にするじゃない。それから唇に紅をさす。おいらんいもにはそれと似たところがあるのさ。白のまん中に、紫色をちょっとさしたところがさ」
真偽のほどはわからない。でも話としてはよくできている。思いがけない話を聞かせてもらえて嬉しかった。