ハロームーン

登録番号 種苗法 28881 2022.1.17
北海道優良品種 ばれいしょ北海道第58号 2018.2.5
地方番号 北育22号 2013
育成地番号 北系44号 2011
育成者権の存続期間 25年

塊茎
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来歴

ジャガイモシストセンチュウおよびそうか病抵抗性を持つ高品質ポテトチップ原料用品種の育成を目標として、そうか病抵抗性を有する「スノーマーチ」を母、ポテトチップ加工適性が優れる「きたひめ」を父として、平成17(2005)年に北海道立北見農業試験場にて人工交配を行い、平成18(2006)年に播種した実生集団より選抜された系統である。平成19年には第二次個体選抜をそうか病発生ほ場で行いそうか病抵抗性の選抜を実施した。多収でジャガイモシストセンチュウ抵抗性およびそうか病抵抗性を持つことから平成25(2013)年に「北育22号」の地方番号を付与して実用性を検討した。また平成23(2011)年より、ばれいしょ加工適性研究会においてポテトチップ加工適性を評価検討した。
系譜図

概要

ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を持つ加工用(ポテトチップ用)系統である。規格内いも重は「トヨシロ」並で、ポテトチップカラーは「トヨシロ」より優れる。そうか病抵抗性および塊茎腐敗抵抗性は「トヨシロ」より強い。

形態的特性

幼芽の大きさは中、幼芽の形は球形、幼芽の基部のアントシアニン着色の強弱は中、幼芽の頂部の基部に対する大きさは中、幼芽の頂部の型は開く、幼芽の頂部のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、幼芽の根端の数は少、植物体の草姿はやや直立、小葉の重なりは開く、複葉の緑色の濃淡は濃、第二側小葉の長幅比はやや狭、植物体の草高はやや低、花の数はやや少、花冠の大きさは中、花冠内面のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、やくの色は黄、枯ちょう期は中、塊茎の形は円形、塊茎の目の数は少、塊茎の皮色は淡ベージュ、塊茎の目の基部の色は白、塊茎の表皮のネットは無又は極少、塊茎の肉色は白である。

生態的特性

休眠期間は「トヨシロ」より短い中 枯凋期は「トヨシロ」よりやや遅い中生。「トヨシロ」と比較して上いもの平均重はやや軽いが上いも数が多いため規格内いも重は「トヨシロ」よりやや多い。でん粉価は「トヨシロ」並。褐色心腐は「トヨシロ」より少ない微、中心空洞は「トヨシロ」並みの微である。

病害虫抵抗性

Yモザイク病抵抗性は弱、疫病圃場抵抗性は弱 塊茎腐敗抵抗性はやや強 そうか病抵抗性はやや強。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性遺伝子H1を有し抵抗性は強。

品質特性

ポテトチップス加工適性は収穫後〜収穫翌年の1月の調査では「トヨシロ」より優れる。エチレンガスを利用した長期貯蔵では発芽した芽が取りづらく、長期貯蔵には適さない。

栽培上の注意点

1)小粒化により低収となる場合があることから株間を「トヨシロ」より3p程度広げるのが望ましい。ただし、中心空想の懸念があるので、極端な疎植は避ける。
2)Yモザイク病の病徴が「トヨシロ」より見えにくいことから、原採種栽培におけるウイルス罹病株抜き取り作業の際は留意する。

育成従事者

大波正寿 松永浩 青山聡 品田博史 中山輝 江部成彦 千田圭一 萩原雅司 池谷聡 藤田涼平 田中静幸 入谷正樹 堀田冶邦 相馬ちひろ 古川勝弘 白井佳代 佐々木純

関連Web

http://www.hro.or.jp/list/agricultural/result_pdf/result_pdf2018/2018003.pdf
(農業技術情報広場 研究成果概要)

https://potato-museum.jrt.gr.jp/hallomoon.html
(ジャガイモ博物館 品種解説)

http://ebook-viewer.com/imoshin/pdf/138011.pdf
(いも類振興情報 新品種紹介)




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