馬鈴薯農林3号

登録番号 農林認定 ばれいしょ農林3号 1945. 4
種苗法 
北海道優良品種 (1945-1959)
地方番号  
系統名 島系86号    
系統番号 3742-10  
組合せ 本育393号×Deodara (1937 北農試) 系譜図

農林3号 塊茎
塊茎 (甘藷、馬鈴薯の新品種(其の一)(農林省農業改良局研究部)

(1)来歴

 昭和12年(1937)に北海道農事試験場(現 (独) 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター)本場において、「本育393号」を母、「Deodara」を父として交配した種子を、翌13年(1938)年に島松馬鈴薯・玉蜀黍試験地における農林省指定酒精原料作物試験地(品種登録時には北海道農業試験場島松馬鈴薯試験地に改称)に配付し、以降選抜を重ねたもので、昭和20年(1945)に「馬鈴薯農林3号」として登録された。
 適応性が狭く、いもが小粒で耐病性も弱く、輪腐病蔓延防止対策のためほとんど作付されることなく、昭和34年(1959)に優良品種から廃止された。
系譜図

(2)形態的特性

 そう性は中間型、茎長は中位で草勢は強く、茎数や分枝が多い。花色は白い。いもの着生は比較的密である。いもは卵形で、黄白地に極淡い赤紫色の大斑があり、目は浅い。肉は白い。

(3)生態的特性

 開花期は「明星」よりやや早いが、枯凋期は「明星」よりも遅く、極晩生に属する。いも数は極めて多く比較的小粒だが、粒ぞろいは良好である。いも収量は特に多くはないが、澱粉価が高いので、澱粉収量は「農林1号」に匹敵する。特に十勝地方の澱粉原料用に適するとされた。

(4)病害虫抵抗性

 疫病には強いが、ウイルス病には弱い。褐色心腐には強いが、二次生長が多発しやすい。

(5)品質特性

 粉質で食味は良い。

(6)適地及び栽培上の注意

 多肥に耐えうるので、肥沃地において能力を発揮する。
 適地は道内一円、特に十勝地方によいとされていた。

育成従事者

田口啓作、鈴木美代七、西村昌造、和田忠男、江口俊一、徳本尚史、関山治男


文献及び関連Web

農林省農業改良局研究部 (1954).「馬鈴薯農林1号」 『甘藷、馬鈴薯の新品種(其の一)』.農業改良技術資料41.pp.69-71

北海道農業試験場 (1946).「馬鈴薯新優良品種「馬鈴薯農林二号」及「馬鈴薯農林三号」の特性」 『北海道農業試験場時報』.197:1-8

田口啓作,佐藤亮 (1946).「馬鈴薯新優良品種「馬鈴薯農林二号」及「馬鈴薯農林三号」」 『北農』.13(1):4-11

北海道立農業試験場 (1952).「16 馬鈴薯」 『主要農作物優良品種の解説』.pp.153-167

田口啓作 (1963).「V. 馬鈴薯の栽培」 『作物体系 第5編 いも類』.養賢堂.pp.25-26




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