ノーキングラセット　(Norking Russet)

花　（北見農試）	草姿　（北見農試）	塊茎　（北見農試）
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(1)来歴

　1977年の「Nooksack」×「ND9567-2Russ」の交配組合せから選抜され、1985年にNorth Dakota Agricultural Experiment Station と the USDA Agricultural Research Serviceから「Norking Russet」として公表された品種です。
　わが国には、カルビーポテト株式会社がそうか病発生地域におけるポテトチップ原料用として導入し、平成14年(2002)に北海道の「馬鈴しょの地域在来品種、民間育成品種等種馬鈴しょの増殖計画検討会」において増殖が認められました。
　オホーツク地方のそうか病が多い地域を中心に300ha弱程度作付けされています。

(2)形態的特性

　そう性は中間型で、茎長は「トヨシロ」より短いやや短です。茎の太さは中、茎翼は直、茎色は緑です。葉色は淡緑、小葉は中間形で大きい。花の数は稀で花色は紫系です。塊茎は楕円体で皮色は褐色、表皮の粗滑は粗で、“ラセット皮”です。目の深さは浅く、肉色は白です。


ノーキングラセットは、強健な中生のラセット皮品種で、塊茎は外見が良く多収です。生食用や冷凍フレンチフライ加工用として最適です。
　植物体は大きく直立しており、長くて太い茎の節と節間には着色があり、茎翼は波形で着色があり、

(3)生態的特性

　枯凋期は早生に属します。株当り上いも数は「トヨシロ」並の中程度ですが、上いも平均一個重は小さく、上いも重は「トヨシロ」よりかなり少ないです。でん粉価は中程度です。

(4)病害虫抵抗性

　ジャガイモシストセンチュウ抵抗性は持っていません。そうか病抵抗性は強、疫病圃場抵抗性は弱、塊茎腐敗抵抗性は中です。

(5)品質特性

　褐色心腐の発生はみられませんが、中心空洞は中程度発生します。二次生長は認められません。
　用途は加工食品用（ポテトチップ用）で、収穫直後のチップ褐変程度、チップカラー（アグトロン値）とも中程度です。