サツマヒカリ(農林40号)


(1)来歴
 早掘適性の高い「九州84号」と食用に適したいもの形状、赤紅色の皮色で多収の「九州88号」の組合せにより、九州農業試験場で育成されたもので、昭和62年に命名登録された。品種の名称は新しい用途に光り輝くさつまいもという意味である。
「薩摩光」、「Satsumahikari」

(2)形態的特性
 いもは紡錘形で形状は整っており条溝はなく皮色は赤、肉色は黄白である。

(3)生態的特性
 萌芽性は良である。いものβ-アミラーゼ活性が極く低いので、加熱調理してもでん粉が加水分解されず、遊離のマルトースを生成しない。このため、乾燥グラニュール、乾燥フレーク、フレンチフライ、こしあん用としてすぐれた適性をもつ。鹿児島県農試での成績は標準栽培でコガネセンガンより15%程度、高系14号より5%程度劣るが早掘栽培では両者より優れる。

(4)病害虫抵抗性
 黒斑病に対する抵抗性は中程度でサツマイモネコブセンチュウには強いが、ミナミネグサレセンチュウにはやや弱い。貯蔵性は高系14号を上回り良好である。

(5)栽培上の注意

(6)用途
 加工食品用。煮ても焼いても蒸しても甘くならない全く新しいタイプの変わり種で、自在に味つけができるので、アイスクリームやシャーベット、サラダなどの原料としての用途は広く、コロッケなどへの利用も期待される。