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(1)来歴
青果用に適したいもの形状と赤紅色の皮色をもち、多収性の「九州88号」と多収の「九系7674-2」の組合せにより九州農業試験場で育成されたもので、平成2年に命名登録された。品種名は紅色で、すらりとした乙女のように芋の形が良いことを表す。
「紅乙女」、「Beniotome」
(2)形態的特性
イモは端正な長紡錘形で皮色は赤紅色、肉色は黄白である。条溝、裂開、皮脈は無くて外観にすぐれる。味がよくて形や大きさが揃いやすく商品化率が高い。
(3)生態的特性
萌芽性は良い。早掘適性が高く、長崎、鹿児島の現地試験では高系14号を早堀栽培で約40%、標準栽培で35〜130%上回っている。
(4)病害虫抵抗性
サツマイモネコブセンチュウに強いほか、黒斑病にもやや強の抵抗性を示すが、ミナミネグサレセンチュウ抵抗性は中程度である。貯蔵性は高系14号よりもすぐれている。
(5)栽培上の注意
多収で作りやすいので素人にも比較的簡単に栽培ができるが、以下の点に留意する必要がある。
(6)用途
焼きイモなどに適する。蒸しいもの肉色は黄白色で粉質、繊維の多少は中程度。食味は高系14号よりすぐれる。