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(1)来歴
明治28年、広島県の久保田勇次郎氏によりオーストラリアから導入された。はじめは三徳イモと呼ばれたが、その後、源氏、げんち、元気などと呼ばれ、全国に普及するようになった。
この品種は年がたつにつれて芽条変異系統を生じながら、名称を変えて広く普及した。便利、自便利、赤便利、愛知紅赤、つるなし鹿児島などと呼ばれているのは源氏の系統である。また蔓無源氏、立鹿児島も源氏の芽条変異系統である。
注: |
源氏にはこれより古く、来歴の異なる品種があった。薩摩に伝来した、いわゆる「シロイモ」が九州を中心に中国・四国の西日本に広まる過程で芽条変異により生じたものであったと推測されている。 |
(2)形態的特性
イモは紡錘形、なりヅルが長く、掘り取りがやや困難である。皮色は淡赤褐、肉色は黄白色、でんぷん歩留りは高く、ごく粉質で食味はきわめてよい。
(3)生態的特性
萌芽性がよく育苗が容易で、ツルは長く繁茂型である。晩植適応性、耐肥性は小さく、ツルぼけしやすい。一般に温暖な痩せ地に向く。
(4)病害虫抵抗性
コクハン病に中〜弱、ネコブセンチュウには弱い。
(5)栽培上の注意
(6)用途
食用、でんぷん原料用の品種。