明星

系統名:本育397号
系統名:本系16号



(1)来歴

 昭和5年(1930)に北海道農事試験場本場において「根室紫」を母、「Pepo」を父として交配したものから選抜され、昭和8年(1933)に「本系16号」、昭和12年(1937)に「本育397号」の名称で試験を行い、昭和13年(1938)に北海道農事試験場本・支場長並びに試作場長協議会において優良品種に決定し、「明星」と命名されました。
 北海道における作付割合は昭和16年(1941)に1%、昭和19年(1944)に2%でした。で昭和34年(1959)年に優良品種から廃止されました。

(2)特性

 熟期は極晩生です。そう性はやや開張で茎長は中位です。茎色は緑に淡赤紫色が分布します。葉はやや濃緑色です。花は淡紫色です。いもは扁卵〜楕円形、皮色は黄白色で表皮はやや粗い。目の数及び深さはともに中位です。収量、澱粉価は「神谷薯1号」並か地方によってはややまさっていました。肉質は粉質で、味が良く、各種の病害虫に対して抵抗性が強い。
 食用及び澱粉用に適するとされていました。

山崎俊次.“馬鈴薯新優良品種「北海白」、「紅丸」及「明星」の特性”.北農.5(5),189-195(1938)
 晩生種で茎葉枯凋期、収量、澱粉含有率等は「神谷薯一号」と略同じく、地方によつては寧ろ稍優つてゐる。然も薯の目浅く且食味良好で、澱粉含有率も多く、又各種の病害に対し抵抗性が強いから、食用及澱粉用として好適する。
 耕種法に関しては特記すべきことなく大体「神谷薯一号」に準じて宜しく、肥料を増減するもこれに伴ふ収量の増減は顕著ではない。



文献

山崎俊次.“馬鈴薯新優良品種「北海白」、「紅丸」及「明星」の特性”.北農.5(5),189-195(1938)

佐藤導謙、村田吉平.“北海道農事試験場本場育成・「本育」番号系統の来歴”.北農.74(3),289-315(2007)






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