ホワイトバロン

登録番号:【種苗法】第5965号 (1997.12.18登録 1999.12.20取消)


(※原図の背景を修正しています)


剥皮後90分の褐変状態の比較
左:男爵薯 右:ホワイトバロン


馬鈴しょ品種のすべて(北海道種馬鈴しょ協議会)原図

(1)来歴

 ホクレン農業総合研究所(北海道夕張郡長沼町)において、平成元年(1989)に「男爵薯」の葉から調整したプロトプラストを培養してプロトクローン(体細胞の細胞壁を酵素で溶かしたプロトプラストから、植物体に再生したもの)を作出し、翌年以降圃場栽培を行い変異体を選抜して育成された品種です。「男爵薯」と比較して、幼芽の色が白であること、いもの形が扁球形であること、目が浅いこと等で、「ワセシロ」と比較して、幼芽の色が白であること、葉色が濃いこと、花色が赤紫系で両面先白が入ること、目が浅いこと等で区別性が認められます。
 平成9年(1997)12月18日に種苗登録されました。品種名は、原品種の男爵(baron)の及び肉の剥皮褐変が少ないことを示しています。

(2)形態的特性

 幼芽の色は白い。萌芽時の葉色は赤紫を帯びる。茎の長さは短、太さは中です。茎色の1次色は緑、2次色は「男爵薯」よりやや淡い赤紫です。茎翼はやや波、分枝数は少で、そう性は中間型です。頂小葉及び小葉の形は中間、大きさはやや大である。がくの色は帯紫です。花の数はやや少、花の大きさは中で「男爵薯」より大きい。花色は赤紫系で両面先白が入ります。
 ふく枝の長さは短です。いもの長短はやや長で、形は球形の「男爵薯」と異なる扁球形です。皮色は黄褐、表皮の粗滑は中で「男爵薯」よりやや滑らかです。目の数はやや多、深浅は「男爵薯」より浅いやや浅です。肉色は非常に白い。

(3)生態的特性

 休眠期間は「男爵薯」より長い。初期生育は「男爵薯」より遅い中ですが、早期肥大性は「男爵薯」並のやや速です。枯凋期は「男爵薯」より遅い中早生です。上いも数は「男爵薯」より若干少なく、上いも平均一個重は「男爵薯」と同等以上のやや個数型品種です。、上いも収量は「ワセシロ」より少なく、ほぼ「男爵薯」並の少で、澱粉価は「男爵薯」より高く、ほぼ「ワセシロ」並のやや低です。

(3)病害虫抵抗性

 中心空洞は「男爵薯」より少なく「ワセシロ」並です。その他の病害虫抵抗性は原品種の「男爵薯」と大差ないものと思われます。
肉質は「男爵薯」並のやや粉であるが、煮くずれは「男爵薯」より多い。

(4)品質特性

 チロシン含量が「男爵薯」の1/4と少なく、原品種「男爵薯」に比べ剥皮褐変が明らかに少ないことが、本品種の最大の特長です。肉質はやや粉質で、調理後黒変は無い。




文献

Arihara,A et al. 1995. White Baron: A non-browning somaclonal variant of Danshakuimo(Irish Cobbler). American Potato Journal Vol.72:701-705

関連Web



ジャガイモ品種「ホワイトバロン」 (ジャガイモ博物館(浅間和夫氏による解説))



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