IV じゃがいもの需要と生産の基本計画

平成11年7月16日に旧農業基本法が約40年振りに見直され、食料・農業・農村基本法(新基本法)が施行されました。 新基本法では『食料の安定供給の確保』、『多面的機能の発揮』、『農業の持続的な発展』及び『農村の振興』 の4つが基本理念となっています。

また、新基本法に掲げられた理念や施策の基本方向を具体化した新たな食料・農業・農村基本計画が平成17年3月に閣議決定されました。この基本計画は、今後10年程度を見通したもので農業及び農村をめぐる情勢の変化や施策の効果の評価を踏まえ、概ね5年ごとに見直すこととされています。

新たな基本計画においても、旧基本計画と同様に供給熱量総合食料自給率で45%という目標を掲げています。ただし、食料自給率は需要と供給のバランスに基づく数値ですから、それを向上させるためには国、地方公共団体、農業者及び農業に関する団体、食品産業の事業者並びに消費者が一体となって努力する必要があります。つまり、基本計画は国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、関係者が取り組むべき課題を明らかにしたものでもある訳です。

以下に、基本計画から「じゃがいも」に関する需要、生産等に関する記述を抜粋・要約します。

○食料・農業・農村基本計画における望ましい食料消費の姿・生産努力目標
ーじゃがいもー

○食料・農業・農村基本計画における望ましい食料消費の姿・生産努力目標
ーじゃがいもー

 

単位
平成15年度
平成27年度
1人1年当たり消費量
kg
15.2
15
生  産  量
万t
293
303
10a当たり収量
kg
3,300
3,777
作 付 面 積
万ha
8.8
8.1
自  給  率
80
84

○食料・農業・農村基本計画における望ましい食料消費の姿・生産努力目標

農業者その他関係者が積極的に取り組むべき課題
・食品産業との連携強化、加工適性の高い品種の育成・普及、原料の安定供給により
加工食品用の生産を拡大
・新たな高品質栽培技術の確立等により、
生食・加工食品用の品質向上を図りつつ、労働時間を2割程度低減
主な対応方向
・育種段階からの実需者による加工適性評価の実施、
定温定湿貯蔵やリレー出荷による高品質原料の周年供給により、
ニーズに応じた供給体制の整備を推進
・省力的で収穫時に馬鈴しょに傷がつきにくい機械化栽培体系
(高能率で石等を除き、うね立てしたうえに植えつける方式の確立、
切断作業が不要な小粒種いもの活用等)

○研究技術開発の展望

今後10年間の主な達成目標
フレンチフライ(大粒で歩留りが高い)、ポテトチップ(定温で貯蔵しても焦げ色が付きにくい)に適した馬鈴しょ品種を育成。
省力的で収穫時に馬鈴しょに傷がつきにくい機械化栽培体系(高能率に石等を除き、畦立てしたうえで植えつける方式)の確立、切断作業が不要な小粒種いもの活用等により、労働時間を4割程度低減