香川県高松市香東中学校の堀尾先生からこんな電話があった。

「わたしは1年生の総合学習でサツマイモを扱うつもりです。ただわたしは戦後生まれで戦争による食糧難を知りません。そういう者が子供たちに食糧の大事なことを教えるのですからむずかしいです。
そこで戦争による食糧難をくぐってきた人たちの声を伝えるのがいいのではないかと思い、いろいろ調べてみました。すると一番多いのがサツマイモ関係のものでした。
サツマイモ資科館では当時大活躍した沖縄100号や農林1号などを今でも展示されているそうですね。そのおかげで命がある人の中には、その前にくると思わず手を合わせて拝む人がいるそうですね。 『あの時はお世話になりました。ありがとうございました』 と。
わたしが探していたのはこれだったと思いました。そこから入っていきたいです。そういう人たちの声なき声を書き留めたものがありましたら、送って頂けませんか」

わたしも戦争飢饉の体験者の一人だ。協力させてもらいたいと思った。幸いそういう立場からこの『武蔵野ペン』に書かせてもらったものがいくつもある。
その中から「週刊小国民」・「いもの歌」(83号)、「石いも」(84号)「終戦の日の食卓」(91号)、「疎開者のいも畑」・「いものカラ」(99号)、「円盤」・「いもの蔓」・「風北が怖い」(103号)、「ジャングルの中でのいも作り」(104号)などを送ってあげた。