県農産物加工推進懇談会さつまいも部会の一行8人が来られた。顔見知りの人がほとんどだったので、話が最初からはずんだ。なかでも夢のあるいも菓子の開発に長年取り組んでこられた九面屋の鳥丸正勝社長の見解は面自かった。要点を紹介させてもらうとこうなる。

「わが国の食べ物の中心は長い間コメだった。それさえあればあとはどうにでもなった。コメは王道で、これに対抗できるものはなかった。ところが最近コメがおかしくなり、落ち目になってきた。それに付け入り、今まで脇役に甘んじていたもろもろの食べ物がいっせいに台頭し、激しく自己を主張するようになった。サツマイモもその一つで、時代は大きく変りだした。
ここでサツマイモ関係者が気を付けなければならないのは、モノ作りだけ、金儲けだけで動いてはいけないということだ。そういう発想ではやがて行き詰まり、伸びられるチャンスを自分で潰してしまうことになろう。
ではどうするのがいいのか。サツマイモ関係者だけの結束では弱い。ジャガイモ関係者とも手を組み、全国規模でいも類を『文化』という切り口から取り上げていきたい。それにより初めて新たな発展が期待できるのではなかろうか」
わたしは「さすがだ、まさにその通りだ」と思った。幸いわが国にはそういう趣旨の会ができている。サツマイモとジヤガイモの関係者が一つになり、3年前の平成9年に立ち上げた「日本いも類研究会」がそれだ。
まだスタートしたばかりでよく知られていないか、それでも会員はすでに 300人にもなっている。鳥丸社長にも入って頂き、いも文化論の具体論を大いに展開してもらいたいと思った。