さつまいもの主要な病害虫

病害虫
被  害  の  状  況

帯状粗皮症

サツマイモ斑紋モザイクウイルスの強毒系により、いも表面が帯状に退色、粗皮状態となる。ウイルスフリー苗、無病の種いもを利用する。

立枯病

生育初期、蔓の生育が止まり、茎は一部黒変、葉は黄化、根は黒変し、萎凋・枯死する。また、いもの表面に円形の黒い陥没が見られる(かいよう症状)。発生圃場では、土壌消毒を行う。

蔓割病

植付け後に葉が黄化し、茎の伸長が悪く、茎に割れ目が発生し葉が黄変して枯死する。砂地や高温の年に発生が多い。発生圃場での連作を避け、種いもや苗を完全に消毒する。

黒斑病

植付け後に下葉が黄化して落葉し、生育を停止する。また貯蔵中の腐敗の原因となる。種いもや苗によって感染し、畑での防除は困難である。無病いもの利用、種いもの温湯消毒や薬剤による消毒を行う。

黒星病

8~9月に発生する。葉に始め褐色の1~3mm程度の円形の病斑が現われ、淡褐色~灰褐色に変色して葉が枯死落葉する。銅製剤の効果が高い。被害葉の処理、種いもの消毒を完全に行なう。

ナカジロシタバ

西日本の暖地に多く、成長すると全葉を食害して大被害を及ぼす。年3~4回世代をくり返し、被害は秋期に最大となる。発生初期にDDVP乳剤やディプテレックス乳剤で防除する。

イモコガ

苗床から収穫期まで幼虫が食害する。糸を出して葉を巻き、内部にひそむ。暖地では6~7世代、中間地で4~5世代をくり返す。防除法は、ナカジロシタバと同様である。

ハスモンヨトウ

幼虫が葉の裏面を食害し、表面だけが残る。葉が白くなるので発見は容易である。4世代をくり返し、防除法はナカジロシタバと同様である。

コガネムシ類

幼虫の発生は8月中旬頃に最高となるので、防除は、幼虫の発生初期の7月上旬にダイアジノン粒剤、微粒剤、バイジット粒剤などを施用するかセンチュウ防除を兼ねて土壌消毒を行う。

ネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウ

初期生育の遅れや栄養障害症状、いもの奇形と表面の褐色~黒褐色の斑点などの被害がでる。連作をさけ、落花生などの拮抗作作物の栽培に加えて、青果用の栽培ではクロルピクリン、DDで消毒する。